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トップ  >  やまがた福祉移動サービスネットワーク(2016年12月2日更新)


やまがた福祉移動サービスネットワークの取り組み



   やまがた福祉移動サービスネットワーク(以下、移動ネット)は、移動困難な人々を支援する団体へ、団体の設立や運転者の訓練等のサポート活動をしている団体です。「移動の自由は基本的人権の一つである」の理念のもと、年齢や障がいの有無に関わらず、全ての市民が安心安全な移動ができる様になることを目的としています。
   今回、代表の齋藤丈夫さんと事務局長の本間博さんに、活動を始めるまでの状況や、現在行っている取り組み、そして活動を通して感じていることについてお聞きしました。


(施設送迎者運転勉強会の様子その1

   移動ネットが活動を始めたのは今から十数年前です。当時は、通院を手伝っている個人の方や、福祉施設で利用者と直に触れ合っている職員やヘルパーの皆さんが、営利活動としてではなく、福祉の活動として、介助等の専門性を活かした移動サービスの必要性を感じつつも、制度上それができないためもどかしい思いをしていたのだそうです。

   その後、2004年と2006年の道路運送法改正により、非営利セクターでも様々な移動サービスを行うことが認められました。

   その代表的なものが「福祉有償運送」です。これにより、それまで潜在的に存在していたニーズが数字で見える様になりました。山形市及びその隣接2市2町における、平成27年度の運行回数は44,170回を数え、事業者数は山形県全体で約40にも上ります。福祉有償運送を行うには運転者認定講習の受講が必須で、これを県内で実施しているのが移動ネットです。

   当時、「自分たちだけで頑張るのではなく、30人が講習を受ければ、30人の移動困難者が通院や買い物に行けるようになる」との思いから、認定講習を実施する団体として申請をしたのだそうです。


(福祉有償運送の運転者認定講習の様子)

   そして、移動ネットでは現在「施設送迎者運転勉強会」を県内各地で開催しています。これは、同じ“福祉×移動”であっても、福祉介護施設事業の送迎は福祉有償運送には含まれていないこと、また、各所で施設への送迎中に様々な事故が起こったことから、これら制度上の穴を埋めようと企画したものです。

   表記を「講習会」ではなく「勉強会」としているのは、参加者同士でノウハウや経験などを共有し、事故防止に努めようとの思いからで、今年度は、11月6日までに計4回を開催、約40の施設から71名が参加しました。


(施設送迎者運転勉強会の様子その2

   移動困難者を支える枠組みには、これらの他にも「交通空白地有償運送」や「デマンド型乗合タクシー」などがあります。山形県内では、民間主体による「交通空白地有償運送」の取り組みは行われておりません。一方で、「デマンド型乗合タクシー」の取り組みは数箇所で行われており、移動ネットは山形市内で運行している「スマイルグリーン号」にアドバイザーとして協力しています。

   この「デマンド型乗合タクシー」は、外出に困っている当事者によって内容が様々です。移動ネットが関わった他の事例としては、山形市外のとある地域で、特別支援学校への通学に様々な課題を抱える親御さんたちが、経費の一部を行政に補助してもらいながら、自分たちでタクシー会社から11人乗りの小型バスをチャーターして、送迎便を運行したものなどがあります。


(山形市内の明治・大郷地区を走るスマイルグリーン号)

   この様にして、外出が困難である人とその家族、福祉に携わる人々、そして地域を見つめてみると、それら課題を解消する術はその実情によって変わってくるのだとお二人はおっしゃいます。

「外出が困難な人たちの課題はそれぞれだが、例えば有償運送という枠組みだけを見てみても、多様な担い手が実施できる様に含みを持たせて制度設計しているから、これに当事者の熱意・知恵・工夫があったらできることというのは必ずある。スマイルグリーン号の様に、その当事者たちが結束し、自分たちで運営しながら、自力ではどうしても苦しいところを行政にお願いします、というスタイルが、従来の考え方と決定的に違うところ。その答えや手法は、私たちではなく当事者の人たちが必ず持っている。」

そして、

「まちづくりと交通は切り離せないもので、“この課題をなんとかしなきゃならない”という意識をそのコミュニティで共有することで、まちの未来が見えてくるのかもしれない。」

と話してくれました。


■やまがた福祉移動サポートネットワーク
〒990−0021
山形市小白川町2丁目3−31山形県総合社会福祉センター3階
電話・FAX 023−623−6613
WEBサイト  http://idonet-yamagata.jimdo.com/




●用語解説


・福祉有償運送:

タクシー等の公共交通機関では、要介護者、身体障がい者等に対する十分な輸送サービスが確保できないと認められる場合に、NPO・社会福祉法人等が、実費の範囲内であり、営利とは認められない範囲の対価によって、乗車定員11人未満の自家用自動車を使用して会員に対して行うドア・ツー・ドアの個別輸送サービスのこと。

・交通空白地有償運送(旧:過疎地有償運送):

公共交通機関が住民に対する十分な輸送サービスを確保できないと認められる場合に、営利とは認められない範囲の対価において行う移動サービスのこと。自治会やNPO等の地元に密着した団体が登録した上で行うことができる。

・デマンド型乗合タクシー:
移動サービスが必要な人を自宅や指定場所から目的地まで、乗り合いタクシー方式で送迎するサービスのこと。


(取材・文責:花屋)