「平成30年度よりそいホットライン報告会」
一般社団法人 北海道セーフティネット協議会
学び場プラス
山形てのひら支援ネット
7月19日、山形市の山形市総合福祉センターで開催された平成30年度よりそいホットラインやまがた報告会に参加してきました。自治体や社会福祉協議会の職員、市民団体、一般市民などおよそ40人が参加していました。この報告会を主催したのは、一般社団法人北海道セーフティネット協議会で、よりそいホットラインの北海道・西東北(青森、秋田、山形)ブロックを統括している団体です。
第1部はよりそいホットラインの平成29年度の事業報告でした。よりそいホットラインは、国の「寄り添い型相談支援事業」による補助金を受けて、公募により選定された事業者(一般社団法人社会的包摂サポートセンターが事業実施者。)が行う電話相談事業です。東日本大震災を契機として、地域社会や家族観が変容する中で、様々な生活上の困難を抱え、必要な支援にたどり着くことができず、社会的に孤立している方々が増加している状況を踏まえて、こうした方々の悩みを傾聴するとともに、具体的な問題解決を図っていくことを目的に、平成23年度から実施しているということです。
「よりそいホットライン」では、生活全般の相談を受ける「一般ライン」の他、「自殺予防ライン」「DV・性暴力被害者等女性のための専門ライン」「セクシャルマイノリティライン」「外国語ライン」「広域避難者ライン」「被災地の10代、20代のための女性のための専門ライン」の7つの区分に回線を分け、365日、24時間対応しているそうです。
特徴は、全国の分野別、対象別の支援実践者が「現場の縦割りを解消し、つながること」を目指して、ネットワーク化していることや、全国初の「匿名」「何でも」「いつでも」「無料」の電話相談で 「つなぐ」「社会資源づくり」も実施しているそうです。
平成23年10月に仙台で自主事業としてスタートし、平成24年 1 月末からは国の事業となりました。その後準備を経て、3月11日に全国の回線が稼働開始したということです。運営団体の担当者からは、最近は、家族関係や、生活が苦しいといった悩みのほか、障害についての相談が目立っていることが報告されました。
山形県内では、去年3月末までの1年間に、4,800件余の相談が寄せられ、場合によっては相談内容に応じた折り返し電話の支援もしているということです。
「よりそいホットライン」北海道・西東北ブロックの高橋統括コーディネーターは、「東北は地域のつながりが強いことから、逆に悩みを打ち明け難いという声も聞きます。匿名でも相談できるのでぜひ気軽に利用してもらいたい」と話していました。山形での開催は初めてですが、毎年どこかのセンターで報告会が開催されているそうです。報告会をきっかけに、この事業の周知や関係機関・団体との連携を促進していきたいと話していました。
第2部は、子どもとともにというテーマで、山形市で子どもを対象に支援活動をしている団体によるパネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションに先立ち、山形市社会福祉協議会と、学び場プラス、山形てのひら支援ネットから活動が報告されました。
当センターの利用登録団体でもある学び場プラスは、25年12月に活動を開始。経済的理由等で塾や予備校に行きたくても行けない小中高生に対し、学習支援を行っている山形大学の学生を中心としたボランティアサークルです。現在取り組んでいる活動の様子を報告しました。
山形てのひら支援ネットは、27年4月に設立され、「食で育む 子どもの居場所&大人の語り場」をミッションとする任意団体で、会員の多くは、外国人支援、教育、被災者支援、市民活動などの現場を持っています。各自の経験とネットワークを元手に地域を編み直そうと立ち上げたそうです。活動の柱である、子ども食堂・地域食堂「楽」の様子を報告しました。
当日はNHK山形放送局の取材も入りました。生きにくさを抱えている人が、一人でも多く支援につながるように、この電話相談事業を知っていただければいいですね。相談は、東日本大震災の被災3県は0120-279-226、それ以外の地域は0120-279-338だそうです。
●お問い合わせ先
一般社団法人 北海道セーフティネット協議会 コールセンター山形
TEL: 090-2365-1208 FAX:023-664-1896
E-mail: yamagata@279338.jp ウェブサイト:http://279338.jp/