この「夏休み企画 親子で工場見学」は、親子で身近にある山形の代表的な工場を見学することで、企業が何をどんなふうに作っているのかを知り、経済活動だけではなく社会貢献活動や環境に対する取り組みを知っていただくことで、参加者の皆さんに地域の企業への関心を持ってもらおうと開催しました。
当日は夏の青空が広がる気持ちの良い天気に恵まれました。集合時刻の13時近くになると、14組の親子33名の皆さんが続々と株式会社でん六の蔵王の森工場に集まってきました。受付を済ませ、皆さんに栞を配ってオリエンテーションです。これからのスケジュールや工場見学する時に注意してほしいことなどお話しました。
参加者のほとんどの方が初対面ということで、皆さんやや緊張された面持ちです。そこで自己紹介を楽しいゲーム形式でやってみました。二人組みを作りお互いに握手をして自己紹介をします。終わったら相手を変えて違う人と二人組みになり同じように握手と自己紹介をしました。次々に相手を変えて、2分間という制限時間の中で何人の方と自己紹介ができるか競いました。終わった頃には皆さん打ち解けた様子で、笑顔が見られました。
いよいよ工場見学の開始です。でん六の社員の方に誘導していただき2階の会議室に入りました。そこでは株式会社でん六の沿革や蔵王の森工場のあゆみ、製造している商品、品質管理と環境管理の仕組みなどDVDを見ながら説明していただきました。
次に工場棟へ移動し、蔵王の森工場で製造されているでん六豆やバタピー、甘納豆、味のこだわりなどの製造ラインの説明を受けました。企業秘密もたくさんあるとのことで美味しい甘納豆のできるコツや、ピーナッツへのこだわりなど教えていただきました。次はできた製品の包装と箱詰めの様子を見学しました。個包装された製品がラインの上で袋詰され、それらがダンボールの箱に詰められます。いつまで見ていても飽きない光景でした。
工場の廊下に何枚かのボードが貼ってありクイズが書いてあったので、みんなで頭を捻りながら考えました。でん六という会社の名前の由来や、ピーナッツの原産地などについてでした。でん六という会社や製造している製品についてのミニ知識が身につきました。
オートメーション化された工場の中には人影はあまり見つけられませんでしたが、この工場では約400人の従業員が24時間フル稼働で3交替で働いており、約100種類の製品を出荷しているとのことでした。ゆくゆくは山形市清住町の工場も蔵王の森工場のとなりに移転する計画があるそうです。
今回工場を見学させていただいて、私達がふだん食べている商品の落花生が、どこの畑でどんなふうに育てられたか、農薬検査の状況、どう運ばれたか、倉庫での保存状態はどうか、出来上がった商品の最終品質チェックなど製品が消費者のもとへ届くまでの情報を速やかに管理できるトレーサビリティという仕組みについて、よく理解することができました。
落花生の薄皮と汚泥から肥料を作り、工場廃棄物をリサイクルすると共に、花と緑を育成する活動もされているとのことで、工場内の花壇には社員のみなさんが育てている花々や落花生が風にそよいでいました。また子育てサポート企業として子育て中の従業員が働きやすい快適な職場環境づくりや、ISO9001という品質管理とISO14001という環境管理の取り組みを通して地域や社会に貢献する企業を目指しているというお話を聞いて「将来この会社に就職したい」と宣言した小学生もいました。
夏休みの暑い中参加してくれた皆さん、工場見学を受け入れてくれた株式会社でん六さん、ありがとうございました。
文責:有川