11月30日、山形市の山形国際ホテルで開催された「ぷらっとほーむサンクスパーティ~16年間ありがとうございました~」に参加してきました。
会場には16の円卓がぎっしり並び約130人の出席者で賑わっています。開会の挨拶のあと、主催者であるぷらっとほーむの共同代表の滝口克典さんと松井愛さんによる主催者挨拶がありました。このサンクスパーティを生前葬と位置づけ、活動の始まった経緯や今までの16年間の活動を振り返りました。
2003年から二人っきりで活動を始めたこと、不登校の子に限らずに居場所を作りたいと思ったこと、山形県の「若者相談支援拠点事業」では、誰もが安心して生活できる環境づくりを目指して、不登校やひきこもりなど、社会参加に困難を有する子ども・若者やその家族の相談窓口として、県内6箇所のうち一つを運営していたということです。
続いて、来賓の方々からたくさんのメッセージや祝電が寄せられました。県議会議員や市議会議員の方々をはじめ遠くは東京や福島から参加された方もいました。今まで取材でぷらっとほーむに関わりを持っていたマスコミの方の姿も見えました。皆さんはそれぞれご自分とぷらっとほーむとのかかわりや、今までの活動に対するねぎらいや感謝の言葉が多く語られ、これから先へのはなむけ等とても温かい言葉が続きました。乾杯は山形大学准教授の安藤さんによるものでした。それぞれのテーブルでも乾杯を皮切りに場が馴染んでいき話が弾んでいました。
間もなくぷらっとほーむ共同代表の二人によるトークライブが行われました。進行役のみどり町こどもひろば担当スタッフの樋口さんを交えて3人で笑いを交えながら、会場から出された質問に一問一答の形で応えていくものです。滝口さんと松井さんが出会ったきっかけや、お互いに認めている長所、また相手のここは嫌いだというところ、今までぷらっとほーむを襲った危機について等、ドキドキするような内容もありましたが、お二人共に歯に衣着せない物言いで、聞いていて気持ちがいいくらいでした。
トークライブが終わると、会場の時計の針は終了予定時刻に近づいています。最後に共同代表の二人からお礼の挨拶がありました。松井さんからは、20代から40代まで駆け抜けた16年間の活動を振り返り、共同代表の滝口さんへの感謝の言葉が語られました。どんな時でも滝口さんの存在に救われ、励まされ、動機づけられたか、そして冷静に状況を掴み俯瞰して分析し言語化することで、整理され次の一歩に繋げられてきたということが印象的でした。
一方の滝口さんにとってのぷらっとほーむは、いろんなことを“お試し”でやれる実験器という位置づけで、フリースペースの周辺に多文化コミュニティ群が広がり、それらが地域に緩やかにつながっているという有り様は、16年という時間をかけて結晶化してきたものだということです。これまで活動をともにしてきたパートナーや支援・応援してくださった方々への感謝の言葉で〆られました。解散は実験主体の分散で、今後は各自がそれぞれの場所で実験を続けていくということです。
小学校や中学校の謝恩会は今では「卒業を祝う会」とか「旅立ちを祝う会」と言うのでしょうか。参加させていただいたぷらっとほーむのサンクスパーティは、まるで謝恩会のような雰囲気で、最後にステージ上で花束を受け取られた共同代表の二人の、晴れ晴れとした顔が印象に残りました。かつてイエローマジックオーケストラ(YMO)が、「解散」を、「散開」といったように、ぷらっとほーむのメンバーもぷらっとほーむとしてはなくなっても、それぞれのところで始まる活動を、これからも見守り応援していきたいと思いました。
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