令和元年10月11・12日の2日間、霞城セントラル23階高度情報会議室にて「視覚障がい者のためのメイクアップ講座」が開催されました。12日に会場にお邪魔した時の様子をお伝えします。
講座主催のやまがたトークアイは視覚障がいにより悩みや不安を抱えている仲間が集まり、情報交換をすることにより心の負担を軽くしたり、社会参加を促す活動をしている団体です。
講座の為に企業から3名の講師を招き開催されました。この企業では社会活動の一環として1988年より60歳以上が集まる福祉施設や、特別支援学校(高等部)などでメイクや身だしなみのセミナーを行ってきました。今回の視覚障がい者向けセミナーは年間を通じ全国各地で開催されているそうですが、山形県での開催は今回が初めてとの事でした。
「机右側にある銀色の袋を手に取ってください。上に切り込みがあるのがわかるでしょうか。そこからシートを取り出せます。シートを取り出しだら一回広げると手のひらサイズになります」
講師の方の視覚障がい者を強く意識した丁寧な説明を聞きながら、参加者の方達はゆっくりとスキンケアを始めます。
「背の高いボトルと低いボトルがありますが」「キャップを持って、上に引き抜いてください」視覚に障がいを持った方にも伝わるように工夫された説明を聞きながら、スキンケア、ベースメイク、ポイントメイクと着々と完成に近づいていきます。視覚障がいのない私が聞いても為になる話が満載でした。
ファンデーションやリップなどは自分に似合う色を講師の方が選んでくださいます。
メイクが進むにつれて、参加者の方達のおしゃべりや笑顔がどんどん増えていきます。
完成した後には皆さん満足げな笑みでそれぞれ綺麗にメイクした姿を写真に収めていました。その顔はメイクを施しているだけではなく、充足感で輝いているように見えました。
参加者からは「今回初めて本格的なメイクをした」「今まで人からどう見られているのか気にしていなかったが、大事だと思った」という感想を聞くことが出来ました。
また今回参加していた盲学校の先生方からは「このような講座がないか調べてみたが、無料で行ってくれる所はなかなかない。すごくありがたい」「視覚障がいを持った人達はメイクも出来ず、外出が嫌になってしまうケースがある。今回参加して良かったと思ったら感想を広めて欲しい」という意見が出ました。
講座責任者のやまがたトークアイの三浦さんは「今回の試みは良かったと思う。しかし、学んだ事も時間が経つと忘れてしまう。これからも継続してこの講座を続けていきたい」と今後の活動に意欲を示されました。
これからもどんな活動をされるのか非常に楽しみです。
- お問い合わせ先:やまがたトークアイ 三浦保志さん TEL:080-6291-7240