「第2回子どもの居場所作り研修会」

山形てのひら支援ネット

2月8日(土)山形市城西町の山形市総合福祉センターで「第2回子どもの居場所作り研修会」が開催されました。テーマは「地域連携~はじめの一歩」です。これは、山形県内で子どもの居場所作りに取り組んでいる4つの団体の方の話をお聞きして、チーム山形として子どもの居場所作りを考えようというものです。

「子どもの居場所を始めてみたけれど、どことどんな風につながるといいの?」、「行政や学校とつながるにはどうしたらいいの?」、「そもそも山形にはどんな社会資源があるの?」など沢山のヒントが熱く語られました。

事例を紹介したのは、上山市で活動している「元気食堂ほっこり飯(はん)」、「川西町こども食堂なかよしキッチン」、山形市で活動している「あさがお子ども食堂」、「地域食堂『楽』」です。

「元気食堂ほっこり飯(はん)」では、子どもからお年寄りまで、障がいを持った方たちも一緒に楽しく過ごしましょうを合言葉に、長清水公民館(上山市)で、原則毎月第2金曜日開催しているそうです。居場所を運営している社会福祉法人が平成28年度から社会福祉法人の制度改革の一環として、当時実施していた事業の他に「社会貢献活動」をすることを義務付けられたことをきっかけに、子どもの問題はもちろん地域の様々な課題に「子ども食堂」を通して取り組むことにしたそうです。

課題や今後の方向性については、月1回では限界があることや、地域との関係の強化、学校・行政・社協等との連携や関係団体とのネットワークが挙げられるが、続けていくことをまずは第一に考えていきたいとのことでした。

「川西町こども食堂なかよしキッチン」は子育て中の若いママが発表しました。昨年のGW中に子連れママ会で出た意見がきっかけになったそうです。子育て中の自分たちがほしい居場所を自分たちで作ってみようということから行動を起こし、8月にはプレオープン。気がついたら、支援される側から支援する側になっていたそうです。毎月1回、日曜日(不定期)の開催で、午前中は広いホールでたっぷり遊び、その後はみんなでランチです。町内の小学生以下の子どもと家族を対象にしているとのことでした。

もっと地域とつながるために自分たちの活動を知ってもらう工夫の一つとして、つながった後も感謝の気持ちを忘れずに伝えているとのことで、地域に支えてもらいながら子育てしているという実感が持てているそうです。地域づくりやボランティアを意識しない自主的な活動だからこそ協力者が増えたとの言葉が印象的でした。

「あさがお子ども食堂」は山形市内の元ラーメン店の店舗を借りて毎週火曜日に開催しているそうです。「からだ」と「こころ」が元気になる子どものための居場所を目指して、主婦5人で運営しているそうで、毎週開催という開催頻度の高さが目を引きました。食事の前後はボランティアの大学生が子どもたちと遊んだり勉強を見てくれたりするそうです。ここは事情のある子が行く場所ではなくて、事情はあってもなくても一人でご飯を食べるのがちょっと寂しいと思った時に気軽に足を運んでくれればいいと話していました。

この居場所がある学区の子どもが一人も来ていないことや、高齢者を対象にできていないことが検討課題だとのことです。

この研修会を主催した山形てのひら支援ネットが運営している「地域食堂『楽』」は、平成28年度から生きづらさを抱えた子どもと保護者、地域の高齢者を対象に、子どもが歩いて通える場所で月に2回地域食堂を開催しているそうです。小中学生の参加者は少しずつ増えているが、高校生の参加が少なく、大学生は毎回の関わりがあるとのことでした。

今年度はマイクロバスで東根のさくらんぼ農園に出かけたり、協力企業さんからいただいた新鮮なイカの解体を体験したりする機会を持ったそうです。参加者の主体性が生まれつつある状況ですが、財政的には助成金頼みで、寄付や会費収入が少ないとのことです。一つの地域(子ども)食堂がカバーできる対象者は限られているので、活動団体が増えればと話されました。またこの活動は社会のひずみの結果へのケアに過ぎず、大元の政策の必要性は変わらないとの言葉が印象に残りました。

グループに分かれての意見交換会は、「各々の活動に訳があり、笑顔があり、支えがあり、感謝があり、地域があり、子どもたちの笑顔とありがとうの気持ちが温かく伝わった」、「行政に頼らず地域を自分たちで作るパワーが素晴らしいと思いました」等の感想や、「山形でも少しずつ活動の輪が広がっていけばいい」、「こども食堂をする仲間として一堂に集まり、語らうこと、その場を提供することが一番大切ではないかと思う」などの声も聞かれ、子どもの居場所作りに携わる多くの方々の熱い思いに触れた時間となりました。

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