「山形市バリアフリーガイドマップ」多言語化 公開しました
バリアフリーというと皆さんは何を思い浮かべますか?
高齢者や車いすの人に対応するために、段差をなくしたり、スロープを付けたりといったことを思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか。私も今回お話を聞かせていただく前までは、そのようなイメージしか浮かびませんでした。もちろんそれもバリアフリーのひとつですが、オストメイトの方に対応したトイレや優先駐車スペースの有無、点字ブロックなどもバリアフリー対応に含まれていることを、一般の健常者はまだまだ意識していないように思われます。
「山形市福祉のまちづくり活動委員会」は、平成15年の開設以来、19年間「山形市バリアフリーガイドマップ」のWebサイト運営・更新をしてきました。昨年12月にこのマップを多言語対応にしたということで、年明けの1月19日水曜日、委員会の発足から活動を続けてこられた黒沼貞志さんと、山形市障がい福祉課の清野一男さんにお話をお聞きしました。
「山形市福祉のまちづくり活動委員会」の成り立ちは、2000年代初頭、当時の吉村和夫山形市長によって「バリアフリーのまちづくり」が掲げられ、一般市民で構成した「バリアフリー推進チーム」が結成されたところまでさかのぼります。当時バリアフリー先進都市だった東京都町田市などへの実地調査や、そもそもなにが日常生活における障壁(バリア)になっているかという調査に携わった当時を、黒沼さんは懐かしそうに話してくださいました(その調査のリポートも運営サイトに掲載されています)。
このチームの活動は「バリア」という言葉の定義(持つ意味)から始まり、バリアフリー社会のあるべき方向性の設定、山形市諸施設の現状の調査など9カ月Ⅰ3回のワークショップを重ねてバリアフリー化推進のためのビジョン、コンセプトおよびアクションプランの「提言書」として市に提出しました(※1)。そしてこれを反映した冊子が平成16年3月に「山形市バリアフリーのまちづくり推進モデル ― げんきであったか山形づくり ― 」として発刊されました(※2)。
平成15年に「福祉のまちづくり啓蒙事業実行委員会」と「バリアフリー推進チーム」が統合して「山形市福祉のまちづくり活動委員会」となり、いよいよガイドマップ作りにとりかかります。
それから現在まで、会のコンセプトである『誰もが住んでよかったと思える「やまがたづくり」』実現のため、定期的に内容を見直し、バリアフリーガイドマップの更新作業を続けてきました。
委員会のメンバーは、身体に障がいを持つ市民や高齢者を含めた一般市民の方々で構成されているのですが、19年の間に組織の高齢化も進んだため、若い人たちへの事業の継承も考慮するようになったそうです。また、同時にインバウンドの影響からニーズの高まりを感じ、英語版作成に思い至ります。
これによって、より幅広く役立つマップの充実と同時に、制作過程でワークショップを開催することで、様々な人たちに活動に触れてもらい、参加してもらえるのではないかと考えました。『赤い羽根共同募金の「令和2年度使途分」』での採択もあって、本格的に英語版作成は動き出します。
山形市国際交流センターの協力も仰ぎ、いざ英文化を進めたところ、Google翻訳機能の充実により思いのほか作業は捗り、英語だけでなく、韓国語と中国語の2言語にも対応できるようになりました。
けれども、今回予定を越えて多言語化はできましたが、当初のもう一つの目的であった若い人たちへの継承という課題は残されたままです。また、バリアフリーガイドマップの機能は充実しましたが、まだまだ利用者や一般の方の認知度が足りないということも課題のひとつです。
現在黒沼さん、清野さんをはじめ委員会のメンバーは、新聞や雑誌など、さまざまなメディアを通じて広報活動に力を入れて、精力的に活躍されています。また、様々な関連団体とも協力して、バリアフリーに対する理解を深めるための活動も検討しているところです。
ぜひ皆さんも一度、「山形市バリアフリーガイドマップ」にアクセスして、身近な施設がどのような形でバリアフリーに対応しているか確認してみてください。
そしてできれば、自ら動き、支援できることはないか、ほんのちょっとだけでも考えてみてください。それが、誰もが住んでよかったと思える山形の実現につながるはずです。
・ホームページ ⇒ https://www.yamagatashi-fukushinomachi.org/index.html
・※1 ⇒ https://www.yamagatashi-fukushinomachi.org/pdf/r005.pdf
・※2 ⇒ 本年度中にWebサイトに掲載となりますがそれまでは下記URLにアクセス願います。
https://sk-solutions.org/web1/wp-content/uploads/2019/09/717f03dd6e787574ccb815f86508100d.pdf
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