令和4年11月13日、みはらしの丘で行われた、「フォレストサポート2022森の楽校」に参加させていただきました。

 ガールスカウトは、世界で約1,000万人の会員が活動する少女と女性の為の社会教育団体で、様々な体験を通して、リーダーシップを発揮できる人材の育成を行い、社会に変化をもたらすチェンジエージェンシーとして行動しています。
「フォレストサポート」とは、ガールスカウト山形県連盟が継続して行っている事業で、やまがた緑環境税と国土緑化推進機構「緑と水の森林ファンド」の助成を受け、みはらしの丘に植樹をし、森を育てています。
 住宅街のすぐ近くにガールスカウトの森はありました。
 入口を進み曲がると、道がたくさんの落ち葉で敷き詰められており、緑と土の香りがして、森に来た事を実感しました。

ガールスカウト山形県連盟の会員、一般の方合わせて、約40名、運営スタッフ、講師も含めると約50名がこのイベントに参加しました。安全の為、ヘルメットの付け方のレクチャーを受け、記念写真を撮りました。

 いよいよ育樹活動開始です。鎌を使って下刈作業をするグループ、葛の根を駆除するグループ、二手に分かれ、作業します。私は葛の根駆除のグループに参加しました。葛は、非常に成長が早く、あらゆるものにからみつき、樹木さえ枯死させる非常に厄介な植物で、木を育てるには、まめに駆除する必要があるそうです。株を探し、キリで穴を開け、そこに薬剤を打ち込みます。

 葛らしき植物はあるものの、自力では株を見つける事が出来ず、運営の方が地面に隠れていた株を教えてくれました。次に穴を開けようとするも想像以上に株は固く、四苦八苦。私よりずっと小さな会員の子達が上手く体重を乗せて穴を開けている様子を見て感心しました。保護者と一緒に楽しそうに作業している子もいました。

 下刈作業が終わったら、次は森林体験学習です。今回はシイタケの菌を打ち、原木栽培を行うのですが、まずは自然の中のきのこの役割について講師の方のお話を拝聴しました。生物は大きく、植物・動物・菌類に分けられ、植物だけが、自分で栄養を作れる生産者であり、動物は消費者、そして、菌類はいらなくなった物を処理してくれる分解者であり、自然において重要な役割を果たしているそうです。今はおがくずなどできのこを栽培する方法が主流ですが、今日は原木を使用した栽培を行います。使用するのはコナラの木で、2週間前に切った生木である事、きのこの種類によって、木の種類や状態を変える必要があることなどを教えていただきました。次にドリルを使って原木に穴を開けるグループ、その穴にシイタケの種駒をハンマーで打ち込むグループに分かれ作業します。

 講師の方の説明とお手本の後、付き添ってもらいながら作業を行います。ドリルはパワーがあり、あっという間に穴が開いていきます。慎重に木に対し真っすぐ穴を開けていきます。種駒を打ち込む際も樹皮と水平になるよう気をつけます。この作業の出来がシイタケの栽培の成否に大きく関わってくるとあって、皆真剣です。原木にはまんべんなく穴を開ける必要があり、また種駒を打ち込まず、穴が開いたままだと、雑菌が入り原木が駄目になってしまうので、見落としがないよう注意して作業します。

 種駒を打ち終わったら、原木を直射日光の当たらない場所に移動させます。水分を含んだ木は重いので、2人1組になって運びます。木を移動させたら、この後はこの原木をどうするのか説明を受けます。

 

 今回植菌したシイタケは上手くいけば再来年の秋か、更に冬を越した春辺りに生えるかもしれないと説明され、2年から3年はかかると聞き、その時間の長さに参加者からは驚きの声が上がりました。この後は3年前に植菌したナメコを当時のフォレストサポート参加者に感謝しながら収穫しました。

 最後に参加者から今日の感想を発表してもらいました。「きのこの役割が勉強になった」「森の生き物を発見できた」「全部楽しかった」などこのイベントを目一杯楽しんだ事が伝わってきました。近年は特に新型コロナウイルスにより様々な行事が影響を受ける中で、子供たちにとって団体行動や自然を学べる貴重な体験になったのではないでしょうか。

 ガールスカウト山形県連盟は普段は地域ごとの団で近くの公民館などで月2回活動をしています。自然体験の他にもSDGsの取り組みなども行っています。フォレストサポートのように一般の方が参加できるイベントも開催しています。今後どのような事を行うのか、その活動に注目していきたいです。

 

●お問い合わせ先:ガールスカウト山形県連盟事務局

 TEL/FAX :023-623-8909(月曜10時~12時)
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