令和5年5月10日(水)に、第20回となる「哲学カフェ」を開催しました。
当初6名の事前申込のところ、5名の当日参加の方も加わって11名での開催となりました。
今回のテーマは「家族」について考える。参加者のなかに最近身内を亡くされた方がいて、その思いを参加者全員で受け止めました。それまで当たり前のような存在だった家族がふいにいなくなる辛さや虚無感は、聞いていて胸が痛くなるようでした。その後参加者のひとりから「理想の家族像とは」という問いが投げかけられ、皆ひとりひとりが順番にそれぞれの思う「理想の家族像」を発表しました。日曜の夕方に放送されているアニメの家族が理想の姿だという人や、自分がこの世にいなくなったあとで思い出してもらったときにあたたかな気持ちになる、そんな家族になりたいという人もいました。
なかでも印象的だったのは以前介護施設で利用者の送迎をしていたという人の話。その人は帰り道の送迎バスの中で、利用者の方といつもとりとめのない話をしていたのだそうです。それはとてもあたたかくて幸せな時間で、ずっと続いてほしいと思うあまり出来るだけ遠回りして帰ろうと言われるほどでした。そのひとときはまるで家族のような関係で、たとえ短いかりそめの時間だったにせよ、そこには確かに幸せな家族の姿があったと言っていました。それぞれ家族への想いを胸に、この日は解散となりました。
次回は6月14日(水)開催予定です。テーマは「笑い」とはなにか。
もし人間に「笑い」という表現手段がなければ、人生はかなりきついものになっていたことでしょう。けれども「笑い」は時には猛毒にもなりえるものです。癒しにも凶器にもなる「笑い」、あなたの考えを聞かせてください。
文責:「哲学カフェ」 担当 川部拓哉