令和5年8月8日、山形市霞城公民館で開催された研修会及び新舞踊会に参加させていただきました。
主催の山形霞城郷土史研究会は、霞城公民館を拠点とし、歴史研究を通して、地域社会の文化向上に寄与する活動を行っている団体です。その目的の為に定期的に現地研修・研究発表・講演会などを開催しています。
今回は二部構成となっており、第一部は山形大学名誉教授松尾剛次先生による「専称寺と駒姫について」の講演、第二部は主に霞城公民館で活動する舞踊師、若藤宝舟師・若藤扇舟師による「若藤流・新舞踊会」の披露でした。
第一部の講演を行った松尾先生は、東京大学大学院にて学んだ後、山形大学に赴任、退官まで同大学で教壇に立たれた日本中世史・仏教史を専門とする歴史家です。最上家に関する著書も出版されている第一人者でもあります。
今回の講演で取り上げた「駒姫」とは最上義光の娘であり、豊臣秀吉の甥である豊臣秀次の謀反による連座として処刑された女性です。
講演は駒姫とはどんな人物でどの様な生涯を送ったのかがメインで、参考文献の出典や複数の説を交えながらお話してくださいました。
写真に写っているのは専称寺所蔵の駒姫像です。東国一の美少女と言われた美貌が窺えます。駒姫の母とされている最上義光正室の大崎殿像も同じく専称寺に残っており、表側だけでなく、裏側からも色を塗った手間のかかった物だそうです。
駒姫がいつ京に上ったのかははっきりしないそうですが、豊臣秀次が邸宅としていたのは歴史の教科書などにも載っている金箔で彩られた絢爛豪華な聚楽第でした。聚楽第の周りには大名屋敷が建ち並んでいたそうで、最上家の屋敷があったとされる京都新町小学校からは「山」の字の金箔瓦が出土したそうです。
歴史に詳しい方は勿論、私の様な「駒姫とは最上義光の娘で豊臣家に嫁いだ美しい姫」といった知識しか持たない人でも楽しめる内容となっていました。
第二部は趣を変えて駒姫を題材とした踊りを含めた4つの踊りを披露していただきました。
舞踊を眺めながら和やかな気持ちになり、研修会及び舞踊会は終了となりました。
今回の研修会及び舞踊会には山形霞城郷土史研究会の会員の方、一般の方を合わせ94名が参加しました。 今後も一般の方も参加できる催しを企画されているそうなので、興味のある方は市報や霞城公民館だよりなどで情報を探してもらえればと思います。また、山形の歴史に興味のある方の入会も随時募集しています。
お問い合わせ先
山形霞城郷土史研究会
TEL:090-6782-6647(会長 伊藤藤夫さん)