令和6年3月9日、認定NPO法人モルヒネ友の会が主催する第65回痛みの情報交換会が開催されました。モルヒネ友の会は惜しまれながらも法人を解散がすることが決まっており、痛みの情報交換会も今回が最後となります。
モルヒネ友の会は、2009年の春に17名で発足。2011年にNPO法人化、2015年には
認定NPO法人に認定されています。2024年3月の会員数は366人です。
最後の情報交換会ということもあり、会場の霞城セントラル23階・高度情報会議室には、山形はもちろんのこと、宮城、福島、栃木、東京、大阪、兵庫など県内外からたくさんの参加者が集まり、会場は満員となりました。
今回、体験を話してくださったAさんは2度の交通事故に遭い、交通外傷で頸椎・腰椎捻挫から難治性疼痛と診断されました。1度目、2度目の事故でも搬送先の病院から処方された鎮痛剤を飲んでいましたが、痛みは時間とともに激しくなり、仕事ができない日々を過ごしました。Aさんはこの会の理事長である医師、加藤佳子さんと出会い、モルヒネを服薬してからは痛みが軽減し、ストレッチなどのリハビリができるまでに回復。今は社会復帰した、と発表されました。
参加者の中には、モルヒネを内服中の方が何人かおり、どなたも依存の症状はなく、痛みの強さに応じて薬の量を調整し、自分で薬の管理をしている、と話してくださいました。
上の写真にあるモルヒネ友の会の会報のあとがきに、「痛みは患者しかわからないし、薬の効果も患者しか判定できない、タイミングよくモルヒネを飲むことで痛みを自己管理できる(服薬の自己管理)」とあります。また会報の表紙には、「痛みはとることができます」と大きな赤い文字で書かれています。その「痛みをとる」には、医師との信頼関係を築くこと。医師に何をして欲しいか分かってもらえるよう伝える(言語化)ことが重要で、医療者はモルヒネ治療を正しく理解して、適正な使用を支援することが必要である、と書かれています。
モルヒネ治療の正しい理解が広まり、全国で適正なモルヒネ治療が受けられるようになって欲しいと思いました。
(文責 沼澤)
取材先:認定NPO法人モルヒネ友の会