講演会「地域猫活動を通じた地域の絆づくり」の様子
みしま町内会地域猫活動部
2018年1月27日(土)、みしま町内会地域猫活動部が、遊学館第一研修室で、講演会「地域猫活動を通じた地域の絆づくり」を開催しました。この事業は、山形市コミュニティファンド公開プレゼンテーション補助事業に採択され、実施されました。
この講演会は、街の環境美化と人と猫たちの共存をより良いものにし、多くの人に活動を理解してもらうことを目的に、公益財団法人神奈川県動物愛護協会 常務理事 黒澤泰さんを講師にお迎えし「地域猫活動を通じた地域の絆づくり~飼い主のいない猫のトラブル解決法~」と題して行われました。
公益財団法人山形県獣医師会の公衆衛生・動物福祉講習会を兼ねて開催され、みしま町内会や近隣の街の方だけでなく、獣医師会の方や地域猫に関心がある一般の方など、約60名が参加しました。
主催した、みしま町内会では、5年ほど前から野良猫のフン尿や鳴き声、頻繁に敷地内を歩く、空き家に棲み子猫が増えているなどの苦情が多くなり、また、野良猫にエサを与えている人と被害対策に困っている世帯のトラブルも心配される状況だったことから、地域猫活動部をスタートしました。町内会の会議を重ね、またクラウドファンディングを活用し寄付を集めるなど様々な方の協力も得て、13匹の猫に去勢避妊手術を行い、エサやり当番などをメンバーで決め、地域に住み着いた猫を管理しています。
また、今年度は山形市コミュニティファンド公開プレゼンテーション補助に応募し事業が採択され、近隣の七日町の町内会へ地域猫活動をすすめ、綺麗で温かい雰囲気の地区の交流と環境美化に力を合わせて活動しています。
今回のテーマとなった「地域猫」とは、“地域の理解と協力を得て、地域住民の認知と合意が得られている、特定の飼い主のいない猫”と、環境省ガイドライン※に定義されています。講師である黒澤さん(下記写真)は、「地域猫」の考え方を全国で初めて発案実施した方です。
(※平成22年2月 住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン)
地域猫活動は、住んでいる人のトラブルをなくすことや地域の環境向上を目指す活動で、単なる動物愛護や猫擁護活動とは異なることが説明されました。
黒澤さんご自身が、保健所職員として取り組んだ事例や各地の町内会の地域猫活動例を交えながら、地域猫活動の考え方や取り組み方、成果や課題などをお話し、会場の皆さんも熱心に聞いている様子でした。
地域猫活動が成功した町内会の事例のポイントとして、一気に去勢避妊手術すること、エサを与えている人も大切にすること、個人の問題ではなく地域の問題にすること、資金は町内会からではなく、募金などで資金を集めること(不公平がない)などを紹介しました。
会場の皆さんは、自分が住む地域で実践できるよう、地域猫に関する知識や活動方法をしっかり聞いている様子で、質疑応答も活発に行っていました。今回の講演やみしま町内会の活動事例をきっかけに、山形市内で「地域猫」活動の理解がより広まり、住みやすい地域づくりのために、活動実践者や協力者が増えることを願っています。取材させていただき、ありがとうございました!
●お問い合わせ先
みしま町内会地域猫活動部(担当:相橋)
TEL:023-622-5840