山形市市民活動支援センター主催

「摂食障害について考えよう ~私らしく生きるために~」を開催しました

 

令和4年10月29日(土)に、「摂食障害とはどんな病気か?」といった疑問や、摂食障害の方の支援状況の現状に関心をお持ちの方を対象にした研修会を開催しました。

 

当日は様々な分野から4人のパネリストに参加いただきました。初めは若宮病院の精神科医石井玄樹さんから「摂食障害とはどんな病気か」をパワーポイントを元にわかりやすく説明していただきました。次いで元当事者だった方から、自分自身の経験として摂食障害になったきっかけや経緯、どのように乗り越えてきたか、どんな支えが力になったかなどの闘病体験が語られました。次に学校現場で子どもたちと毎日向き合っている養護教諭の方から、中学校の現場から見えるもの、部活動の中で強要されがちな体重管理など話題提供いただきました。最後は愛媛県で支援活動をしているマゼンタリボン運動本部の方から、当事者が集まって活動を始めたことや、現在までの経緯、今の支援活動の状況など説明いただきました。

 

参加されたのは会場での参加が11名、リモートによる参加が8名で計19名、20代の方から70代の方まで幅広い世代の方に参加いただきました。当事者の方や元当事者、家族や知り合いに当事者の方がいる方、そして支援者、養護教諭などいろんな立場の方の参加がありました。

 

パネリストの話の後に、石井先生から参加者の質問に応えていただきました。「摂食障害を感じたとき、最初にできることは何か」、「受診をすすめるべきか、様子見でいいのかの見極め」、「当事者に対して周囲の人とのかかわり方の良い例、悪い例」などの質問に参加者は熱心にメモを取っていました。愛媛県の支援団体からは、当事者の方が定期的に集まり、緩やかに繋がれる居場所についての助言や、ゆくゆくは市民活動支援センターに登録して活動する意義を教えていただきました。

参加された方からは、実際の体験談に心を動かされた様子で、「感情的な要素と身体的な要素かがからむ複雑な病気だと理解できたし、時間が必要であることも理解した。」、「小、中学校の保護者向けや、PTA連合会の母親委員会等を通して、多くの保護者に聞いてほしい内容でした。」等の感想が寄せられました。

今回の研修会が、山形市における摂食障害に悩む方のための居場所づくりや支援組織づくりに向けて、一石を投じることができれば嬉しく思います。

 

文責:「摂食障害について考えよう ~私らしく生きるために~」 担当 有川富二子