令和6年9月11日(水)に、第36回となる「哲学カフェ」を開催しました。
今回の参加者は12名、そのうち2名が初参加のかたでした。
哲学カフェでは前々回より座席を決めるためのくじ引きをしているのですが、これが結構好評をいただいており、参加者同士の会話も生まれてちょうどよいアイスブレイクになっているようでした。
今回のテーマは「正しさについて考える」。このような場で「正しさ」について改めて話し合う機会はめったにないということで、参加者のなかにはかなり張り切って今回の哲学カフェに臨まれた方もいたようです。
まずはいつものように自己紹介から。最初に皆さんから今回のテーマについて一言ずつ話してもらいました。それぞれ話してもらったことから「正しさ」というのは100人いたら100通りの考え方があり、絶対的な「正しさ」は存在しないと感じさせられました。さらに人によっては道徳的な正しさや常識などというものすら、教育や社会からの押し付けにより植え付けられたものであり、本当に正しいとは言えないのではないかという意見もあり、開始直後から議論は白熱したものになりました。
特に話題の中心になったものはコロナ禍における人々の反応。ワクチン接種やマスク着用など、周りからの同調圧力により肩身の狭い思いをさせられたという話や、一方的な正義を振りかざす「自粛警察」の話などは、戦前の日本にも共通する空気だったのではないかといった議論にもなりました。
また、第二次世界大戦におけるナチスドイツのような行為を人はどうして止められなかったのかといった話や現在進行中のウクライナ-ロシア間の戦争、イスラエルとパレスチナの争いなど、国家や宗教における「正しさ」の話が出る一方、現在の大相撲のあり方といった議論も展開して、今回も特にこれといった結論は出ないままに時間となりました。
脳の中で、普段使っていない部分をフル稼働した2時間でした。
次回は10月11日、1年ぶりの金曜日夜の開催。芸術の秋にちなんで、テーマは『私にとって「表現」とは』です。
絵画や音楽といった芸術的なものから日常的なあいさつや表情に至るまで、普段私たちはさまざまな「表現」をしています。あなたならではの表現方法が、きっとあるに違いありません。
初めてのかたの参加も大歓迎です。ご参加お待ちしています。
文責:「哲学カフェ」 担当 川部拓哉
※最近多数のお申込みをいただいており、現在は当日参加をお断りさせていただいております。参加の際には事前のお申し込みをお願いします。