令和8年1月14日(水)に、第51回となる「哲学カフェ」を開催しました。

今回は定員15名に対し13名の方にご参加いただきました。テーマは「孤独の功罪」。約2時間にわたり、孤独がもつ光と影の両面について、参加者それぞれの経験や考えをもとに語り合いました。

まずはいつものように、参加者全員による自己紹介と、テーマについてのひとことからスタートしました。「孤独には自由がある」「孤独と孤立は違う」「ぼっちキャンプのように、孤独は自ら選び取るものでもある」といった意見が出され、冒頭から“孤独=悪”と単純には言い切れないことが共有されました。
話し合いが進むにつれ、孤独を生み出す社会や環境についても話題が広がっていきました。東南アジアの女系家族の例では、家族のあり方そのものが孤独感に影響しているのではないかという視点が提示されました。また、現代の住宅事情における個室化の進行が、人と人との距離を広げているのではないか、社会の中でどこにも属していないと感じることが孤独につながるのではないか、といった指摘もありました。一方で、価値観を共有できる人がいれば孤独を感じにくい、高齢化が孤独感を強めているのではないか、といった意見も交わされました。

休憩をはさんだ後は、「これまでに孤独を感じたのはどんなときか」という問いをもとに、より個人的な経験が語られました。職場で上司や同僚から無視されたとき、組織を良くしようと頑張りすぎた結果、周囲から孤立してしまったときなど、さまざまな体験談が語られました。一方で、家族が同じ空間にいながらそれぞれの時間を尊重する暮らしの話や、一人で大阪万博を訪れ、思いがけない交流を楽しめたというエピソードなど、孤独を前向きに捉える声も印象的でした。

また、公民館などのサロン活動には女性の参加が多く、男性が少ないことから、男性のコミュニケーションの難しさが話題になる場面もありました。「孤独にならないためには雑談力が大事」「一人でいることを楽しめる人と、つらいと感じる人の違いは何か」といった問いは、多くの参加者の関心を集めました。さらに、孤独な人の相談を受けるボランティア活動の話からは、社会的孤立が深刻な問題であり、ここに集まれる人と、そうでない人との間にある大きな隔たりについても考えさせられました。SNSが孤独を深めているのか、それとも救いになり得るのかというテーマも、答えの出ないまま参加者それぞれの意見が交わされました。
今回も、明確な結論が出ることはありませんでしたが、それぞれが「自分にとっての孤独」を見つめ直す時間となりました。最後に、「ここに集まっている私たちは、ある意味で孤独と向き合い、時には楽しめる人たちなのかもしれない。だからこそ、身近に孤独に苦しんでいる人がいたら、ぜひ手を差し伸べてほしい」という言葉で今回の哲学カフェはお開きとさせていただきました。                                        

 次回は2月14日、土曜日開催です。テーマは『「思考実験」とはなにか』。
「暴走するトロッコから助けるのは5人か1人か?」(トロッコ問題)「修理した船と元の材料を集めて作った船、どっちがオリジナル?」(テセウスの船)などなど、昨年夏に開催した「思考実験」が再度登場。いくつかの哲学的な問いを通して、生命や倫理観、それぞれの価値観の違いなど、さまざまな問題に取り組んでみたいと思います。

広報紙掲載の都合上、次回申込分から一次申込と二次申込とさせていただきます。
一次申込分はすでに定員となっていますが、二次申込は2月1日(日)から受付開始となります。

※昨年度後半より毎回定員を超える申し込みをいただいており、申し込みをお断りさせていただくことが続いております。大変申し訳ございません。申し込み後にもし当日都合が悪くなり、事前に参加できないことがわかる際には、その旨お電話いただけますと大変有難いです。
ご協力をお願いいたします。

文責:「哲学カフェ」 担当 川部拓哉