令和7年3月12日(水)に、第42回となる「哲学カフェ」を開催しました。

 

今回はこれまでで最大の16名の参加となり、いつもの会場であるふらっとが手狭に感じるほどでした。今回もまずは参加者にくじを引いてもらい、それぞれの座席を決めてからいよいよ第42回哲学カフェ開催となりました。

 

3月というと3日のひな祭りや14日のホワイトデー、8日の国際女性デーなど、性差に関するイベントが多いということで、今回のテーマは「ジェンダーってなんだ?」としました。「ジェンダー」という言葉は最近ニュースや新聞で目にすることが多くなりましたが、その意味するところは今一つ理解できていないという人が多いようで、今回の哲学カフェは比較的難解な話し合いになりました。

最初に「ジェンダー」について、日頃この問題に取り組んでいる参加者の方にその意味するところを簡単にまとめてもらいました。それによると、ジェンダー問題とは男らしさや女らしさといった価値観が広く社会に蔓延していることで、それが同調圧力となって人々に生きづらさを感じさせることを指すということでした。例えば男の子のランドセルの色は黒、という固定観念によって、もし男の子なのに赤色がいいという子がいると「変わっている」とか「おかしな子」というレッテルを貼られてしまうという感じです。

今回の話し合いでは、一昔前には男性が化粧していると「変」とみられていたが、現在ではそんなふうに言われることもだいぶ減ってきているといった意見が出る一方、やはり今でも男性が化粧をすることには違和感を感じるといった人も一定数いました。「性差別」ということとは別に、やはり男と女にはそれぞれの社会的な役割があるのではないか。男性らしさ、女性らしさといったことも大切なものなのではないかといった意見も聞かれました。それに対して、男女それぞれのグループが「男らしさ」「女らしさ」についてよいと思われる点(優しい、頼りがいがある、など)を挙げていき、双方に共通しているものを消していくと結局最後には男女という性差しか残らなかったという、非常に興味深い実験の結果を紹介してくれた人もいて、結局のところ、男性性、女性性とはなんなんだろうと参加者の頭の上には大きなはてなマークが浮かぶような場面もありました。

話は男性と女性だけにとどまらず、現在欧米では第三の性として「X」という分類もあるという話もあるという話から、LGBTについても議論は展開し、「パートナーシップ制度」などの現状をみるにつけ、現在の日本における理解度はかなり遅れていると言わざるを得ない、といった話にもなりました。                                                                                                                                                                                              
 2時間フルに頭を使っての議論だったため、終わった時にはいつもの倍以上の疲労感に襲われましたが、その疲労に見合う分だけ非常に濃い内容でした。まだまだ話し足りないテーマなだけに、第2弾の開催も検討したいと思います。

                                            

 次回は4月9日、水曜日開催です。

先月の「品格」に続いて、今月もかなり難解なテーマだっただけに、次回は少し(?)ゆるーいテーマを、ということで来月のテーマは『「春」といえば?』。
 皆さんの「春」についての話を聞かせてください。

 

文責:「哲学カフェ」 担当 川部拓哉

※最近多数のお申込みをいただいており、現在は当日参加をお断りさせていただいております。参加の際には事前のお申し込みをお願いします。