令和7年4月9日(水)に、今年度最初の「哲学カフェ」を開催しました。今回で第43回目となります。
今回も定員いっぱいのお申し込みをいただき、当日も一人のキャンセルもなく15名での開催となりました。中にはこのために、わざわざ酒田から来られた方もいらっしゃいました。

今回のテーマは「春といえば?」。前回が「ジェンダー」というかなり難しいテーマ設定だったため、今回は気楽にいろいろな話ができるテーマにしてみました。

まずはいつものように、自己紹介とそれぞれテーマについて一言ずつ話してもらいました。
最初このテーマ設定をしたとき、だいたいの人は春という季節を好意的に受け止めているのかと思っていましたが、意外や意外、春は嫌いと答えた人が少なからずいらっしゃいました。理由としては、毎年花粉症に悩まされているなどもありましたが、虫がわらわらと湧き出てくるような感じがイヤ!とか、黄砂などで空気が汚いとか、春は選択と決断を迫られるイメージがあって苦手、などという人もいて、なかなか興味深い内容でした。
逆に春が好きな理由としてあげられたのは、自分が生まれた季節だからとか、結婚相手との出会いが春だったから、など、こちらもさまざま。やはり多かったのは、寒くつらい冬が終わって迎える季節だから、という意見でした。ようやく寒さから解放されて、自由に外に出られることや、山の芽吹きや桜がなによりも楽しみ!といった話が多く聞かれました。中には雪かきという重労働から解放されるのがとにかく嬉しいと力を込めて語る方もいらっしゃいました。

春の風物詩についての話では、「たねまきじいさん」の話が印象的でした。鳥海山に積もっていた雪が溶けて、山肌が見えてくるのが3月下旬から4月頃。庄内地方にある八幡町というところから鳥海山を眺めると、残雪がちょうど種をまく人の形にみえるようになるそうです。その時期になると八幡町のひとたちは山を見上げて「今年もたねまきじいさんが現れた」と言って、春が来たなあと実感するのだそうです。福島の吾妻小富士では、同じように4月上旬になると山肌に「雪うさぎ」が見えるようになり、それが春を告げる便りとなっているのだとか。

フィンランドの冬は太陽が昇らない極夜が続き、極夜が終わるころになると、空にはオーロラが現れて幻想的な景色を見せてくれます。日本の春とは違いますが、フィンランドの人にとってオーロラは極夜(=冬)の終わりを告げる合図なのだそうです。

また個人的な思い出として、人生における忘れられない出会いについて話される人、PTAの役員として充実して活動したころの話をされる人、海外で経験したイースター(復活祭)の話など、さまざまな春にまつわる話をお聞きすることができました。
今回は「春」という単純なテーマでしたが、いつも以上に参加者の皆さんのさまざまな話が聞くことができて、充実の2時間でした。
                                                                                                                                                                     次回の哲学カフェは5月10日(土)開催です。テーマは、正しい「嘘」の使いかた。
多くの人達は「嘘は泥棒の始まり」と言われて育ってきていると思いますが、それにしてはこの現代、「嘘」が多いと思いませんか?
あなたが今ついている「嘘」はどんな嘘なのでしょう?
久々の土曜日開催です!ぜひご参加ください。

文責:「哲学カフェ」 担当 川部拓哉

※最近多数のお申込みをいただいており、現在は当日参加をお断りさせていただいております。参加の際には事前のお申し込みをお願いします。