社員総会といえば会議室などに集まって行うのが一般的ですが、やむを得ない理由のために社員が総会に出席できないという場合の対応には、次のような方法をとることがあります。
1.書面での表決、または、表決権を委任する場合
社員総会に出席しない社員は、書面で、又は代理人によって表決をすることができます(法第14条の7第2項)。また、定款で定めるところにより、書面による表決に代えて、電磁的方法(電子メール等)により表決をすることができます(同条第3項)。
詳しくは下記の定款例をご覧ください。
【書面での表決のみを定めた場合】
(表決権等) 第○条 略 2 やむを得ない理由のため総会に出席できない社員は、あらかじめ通知された事項について書面をもって表決し、または他の社員を代理人として表決を委任することができる。 |
【書面・電子メール・FAXでの表決を定めた場合】
(表決権等) 第○条 略 2 やむを得ない理由のため総会に出席できない社員は、あらかじめ通知された事項について書面もしくは電磁的方法をもって表決し、または他の社員を代理人として表決を委任することができる。 |
※電磁的方法とは、電子メールの送信、Webサイトへの書き込み、CD-R等の磁気ディスク等の交付、いずれかの方法で表決内容を記録することを指します。
2.みなし総会決議(社員総会の決議の省略)の場合
総会の開催にあたり、議決権を有する社員に対して郵送やメールなどで議案事項を連絡し、社員全員から書面または電磁的記録で同意(議案に対して反対または保留者がいない)の意思決定があった場合は、総会の決議があったものとみなすことができます。
※平成23年にNPO法が改正され、「みなし総会(決議)」による表決が可能となりました。(法第14の9)
※「みなし総会(決議)」の開催自体は、定款に記載がない場合でも法の規定があるため実施することは可能ですが、会員への説明責任などの観点から、以下のような文言の追記が推奨されています。
詳しくは下記の定款例をご覧ください。
(議決) 第〇条(略) 3 理事または社員が総会の目的である事項について提案した場合において、社員全員が書面(または電磁的記録)により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす。 |
ただし、「みなし総会(決議)」には以下の注意点があります。
1.「社員全員が同意の意思表示をすること」が条件となるので、1人でも反対意見があった、または連絡が取れない場合は、みなし総会(決議)を行うことはできません。
2.直接集まらずに、書面またはメールにて決議を行うため、提案される議題については丁寧な説明が必要となります。
3.社員全員からの同意があったことを明確にするため、返信された書面、メールについては保存が求められます。