令和5年12月13日(水)に、第27回となる「哲学カフェ」を開催しました。
今回は8名の参加者の皆さんと『「贈る」ということ』というテーマで約2時間話し合いました。
今回のテーマに沿ったかたちで参加者の皆さんがこれまで贈ったり贈られたりした体験を中心に話し合いが行われました。意外だったのは、贈るのも贈られるのも嫌い、または苦手と感じている人が多かったこと。プレゼントをもらうときのリアクションがあまり上手じゃないという人や、欲しくもないものをもらってもどうしたらいいかわからないという人もいました。

贈る際に注意が必要なプレゼントとして「下着」や「本」という話もありました。例えば下着などは嬉しいと感じる場合もあるけれども今だとセクハラと言われてしまう場合もあります。また本は、贈った側の趣味や考えが共有出来て嬉しいという場合もありますが、興味がない場合プレッシャーにしかならないなど、興味深い意見を聞かせていただきました。また、旅行先でのおみやげや年賀状についてなど、さまざまな話が飛び交い、賑やかな話し合いとなりました。
そんななかで今回ひときわ印象に残ったのが、物を贈られるのがあまり得意ではないという参加者の方からお聞きした「目録」の話です。以前からプレゼントされるのが苦手とご主人にも話していたことから、夫婦間でもほとんどプレゼントを贈り合うということがなかったのだそうです。そんなご主人からある時渡されたのが、何も書いていない「目録」でした。何かほしいものが出来たらこれに書いてと言われたのですが、何も思いつかないうちにご主人は亡くなってしまい、手元に残ったのは何も書かれていないその「目録」だけ。いまでもふとした時にその目録を眺め、亡くなったご主人のことを考えるのだそうです。贈るということはなにかということを深く考えさせられる話でした。
贈る立場での相手への気遣いや、受け取る側の対応など学びの多い2時間でした。
次回は年明け1月10日の開催。テーマは『「老い」の効能』。
新たな年を迎え、人は誰しもひとつ年を取っていきます。なにかと否定的に捉えられがちな「老い」ですが、たまには思いっきりポジティブに受け入れてみませんか?
初めてのかたの参加も大歓迎です。ご参加お待ちしています。
文責:「哲学カフェ」 担当 川部拓哉









