令和6年6月12日(水)に、第33回となる「哲学カフェ」を開催しました。
今回は初参加の方も含め、10名の参加者の皆さんと「私が感じる美しさ」というテーマで約2時間話し合いました。
今回は「美しさ」というテーマということで、ここ最近取扱っていた「恥」や「コミュニケーション」などと比べると話しづらく感じたのか、10人というやや控えめな人数での開催となりました。ただ、話し合いの場としてはちょうどいい人数だったように思います。
まずはいつものように自己紹介から。最初に皆さんから今回のテーマについて自分なりに思う「美しさ」とはなにか、一言ずつ話してもらいました。ここで多くの人から出たことは「美と年齢」について。ある人は年齢を重ねることで美を感じる余裕が出てきた、夕焼けや山の景色など自然の美しいものに敏感になったという人もいました。また、これまでの人生で蓄積された知識や経験によって美しさを感じられるようになったという人もいました。一方で、本当の美は絶望の中などといったギリギリの心理状況で初めて感じられるものではないかという人もいました。どちらもその人なりの基準で出てきた「美」についての考えであり、説得力のある意見でした。
参加者の中には何人か登山をされる方もいたのですが、その人たちは共通に、いくら美しい山の風景を写真に撮っても、思い出のよすがにこそなれ、わずかでも実際の美しさを写し撮ることはできないと言っていました。ではなぜカメラマンは写真を撮るのか?それは単に風景を切り取るのではなく、そのなかに自分の伝えたいことを込めるために写真を撮るのではないかという議論にもなりました。
また後半では「生きざま」の美しさについての話となり、江戸時代の名君、保科正之の生きざまがいかに美しかったかといった話も聞くことができました。そこから物に執着する生き方はなぜ見苦しいのかといった話にも展開し、そのあたりで今回は時間切れとなりました。
次回は7月10日の開催。テーマは『「怒り」の使い方』です。
かなりのエネルギーを消耗し、ストレスしか残らないなど、ネガティブな捉え方で語られることが多い「怒り」。いったい何のためにあると思いますか?あなたの意見を聞かせてください。
初めてのかたの参加も大歓迎です。ご参加お待ちしています。
文責:「哲学カフェ」 担当 川部拓哉
※最近多数のお申込みをいただいており、現在は当日参加をお断りさせていただいております。参加の際には事前のお申し込みをお願いします。