毎年夏休みに開催している「夏休み企画 親子で工場見学」、今年は山形新聞制作センターを訪問して、新聞ができるまでを見学してきました。参加したのは、親子8組、21名の皆さんです。

当日は夏の青空が広がる晴天に恵まれました。集合時刻の13時近くになると、8組の親子21名の皆さんが続々と山形市立谷川にある山形新聞制作センターに集まってきました。受付を済ませ、皆さんに栞を配ってオリエンテーションです。これからのスケジュールや工場見学する時に注意してほしいことなどお話しました。

いよいよ工場見学の開始です。社員の方に誘導していただき3階の会議室に入りました。そこでは参加者全員に今朝の山形新聞が1部ずつ配られ、それを見ながら山形新聞の記者の方から新聞づくりの話を聞きました。新聞記者の取材の様子、記事を書くこと、記事を集めて編集すること、完成した新聞を印刷すること、印刷した新聞を梱包しトラックで販売店に運ぶまでの工程を説明していただき、その後はDVDを見ながら説明していただきました。

山形新聞本社で記者の方が書いた記事や写真、見出しなどを組み合わせて編集された新聞は、データとして制作センターに送られてきます。

この工場では、送られてきたデータから、CTP版と呼ばれるアルミ版へ光を当てて版を作ります。この版をもとに両面印刷を高速で行う輪転機を見学しました。これは回転するローラーの間を紙が垂直方向に流れるタワー型と呼ばれているもので、下から黒・青・赤・黄色の順番で4色を刷り重ねてカラー印刷を行うものです。

4台1セットで構成されておりこの工場には2セットあるとのことでした。1セットあたり1時間で7万5千部印刷できるとのことです。

次に新聞に使う紙を見せていただきました。紙はロール状になっていて1本は長さが1.6キロメートル、重さは1.2トンにもなるそうです。工場の紙庫には約3日分の紙が備えてあるそうです。この紙を輪転機に装着するのはAGVと呼ばれる無線で動く搬送車でした。

印刷に使うインキは1日分の新聞で500キログラム使用するそうです。その1トン入りのインキタンク12基がインキタンク室に備えられている様子や、最近出た号外も見せていただきました。一番新しい号外は今年の5月1日付で、新元号「令和」が発表されたものでした。

また、東日本大震災の経験を踏まえて、災害時に対する取り組みも教えていただきました。電源が止まったときのためにガスタービン式の非常用発電機の設備があることや、1日分の新聞に必要なロール紙は、AGVと呼ばれる無線で動く搬送車が使えなくなったときに備えて、いつも輪転機のそばに置いているそうです。

また、読み終えた新聞を家庭から回収し、再び新聞用紙として活用する「クローズド・ループ」方式の古紙回収に取り組んでいるそうです。回収した古紙は、製紙会社が引き受けてリサイクルしているとのことでした。この様に資源の有効活用で環境負荷の軽減を図っている取り組みもお聞きすることができました。

夏休みの暑い中参加してくれた皆さん、工場見学を受け入れてくれた山形新聞制作センターさん、ありがとうございました。

文責:有川