「世界を知ろう!学生出前講座」の様子

認定NPO法人IVY

 認定NPO法人IVYは設立から22年の歴史を持ち、2008年6月に認定NPO法人格を取得しました。
IVYは、カンボジア、フィリピン、東ティモールでの支援活動の経験があり、県内や東北で暮らす外国出身者、国際結婚で来日した女性や中国からの帰国者のサポートを行っています。また、国際理解教育事業、環境教育としての「地球子どもキャンプ」、これまでの知識や人脈を活かした東日本大震災被災地の自立復興に向けた支援活動などへも取り組み、現在も継続しています。

大学生を中心としたIVYの青年組織「IVYyouth」が2010年に設立され、市内の小中学生などを対象に国際理解を深めるワークショップを実施しています。今年度は、山形市コミュニティファンド公開プレゼンテーション補助を受けて活動しており、平成26年2月10日(月)、山形市立本沢小学校で行われたワークショップの様子を取材しましたので、ご紹介します。


 今回は、6年生の皆さんへの授業でした。先生は、IVY理事の阿部眞理子さんとIVYyouthの大沼文香さん。

 大沼さんの所属するIVYyouthは、半年に1回のペースでカンボジアの小学生に算数ドリルを作って届ける事業『カンボジア算数教育支援プロジェクト』を行っています。そして、プロジェクトで見てきたカンボジアの現状を、日本の子どもたちに知ってもらいたいと思い、この学生出前事業が実施されました。IVYyouthが活動している地域では、教科書が足りず、何も教材がない中で勉強をしている、就学率は高くなってきているものの、中退や留年をする子どもたちが多くいるなどの現状があるそうです。
自分たちが実際に見て触れてきたことを子どもたちに伝え、世界の出来事に関心を持ってもらうために、次のようなワークショップを実施しました。

 宗教、経済状況、人種や家族構成も異なる、数カ国の1週間分の食材と家族、キッチンなどが写った写真を見ながらグループで話し合うというもの。


「お米は食べないみたい」、「ペットボトルの商品が多いよ」など気づいたことを全員で出し合い、子どもたちが主体的に考え、気づいたことを発言しやすく工夫していることがこのワークショップのポイント。講師と子どもたちの距離も近く、子どもたちが積極的に考えや意見を出して、楽しみながら参加している雰囲気が伝わってきました。

 子どもたちの気づいた各国の食卓の違いをもとに、阿部さん、大沼さんが、各国の風土、文化や宗教、生活の特徴や経済状態などを解説しました。

特に、難民キャンプでの生活を余儀なくされているスーダンの家族写真は子どもたちに深い印象を与えたと思います。国内で内戦が続いている不安定な国内情勢の中、食糧などの支援も受けられず不安な夜を過ごしている子どもたちもいることを学び、「食糧を食べられる国、食べられない国があると知った」「日本以外の色々な国の生活を知ることができた」「それぞれの国で工夫して生活している」と感想を話してくれました。


 大沼さん・阿部さんから、生活が困難な国もあるけれど家族写真は笑顔の写真ばかりで、みんなで仲良く暮らしていること、家族でご飯を食べる時や給食を食べる時、世界の国々の現状も思い出してほしいと、お話がありました。世界の国の暮らしを知ることで、自分の暮らしを改めて考え直すきっかけになったのではないでしょうか。

 また、子どもたちの”お姉さん”のような大学生の皆さんが先生となることで、楽しみながら積極的に授業に参加することができていました。身近に感じる事柄から興味関心を持ってもらうことで、世界へ関心の視野を広げるきっかけになる、貴重な学びの機会になると感じました。より多くの子どもたちがこうした良い機会を経験できることで、山形の未来を担う子どもの育成につながっていくことを願っています。

IVYyouthでは、子どもたちを対象に、環境教育を行う「地球子どもキャンプ」、出前講座なども実施していますので、興味を持たれた方はぜひIVYのWEBサイトをご覧になってみてください!

■認定NPO法人IVY
代表 枝松直樹
〒990-2432山形県山形市荒楯町一丁目17-40
TEL : 023-634-9830(平日9:30~18:00)
FAX : 023-634-9884
URL : http://www.ivyivy.org/