『災害対策を男女共同参画から考える~災害対策の現状と課題~PartⅡ』

やまがた女性21

11月24日(火)、やまがた女性21が主催し、ファーラ市民企画講座として開催した『災害対策を男女共同参画から考える~災害対策の現状と課題~PartⅡ』におじゃましてきました。会場の山形市男女共同参画センターファーラの5階の視聴覚室は、いろんな年代の男性・女性の方々が集まっています。

第1部の講師は、ウェザーハート災害福祉事務所代表の千川原公彦さんです。千川原さんは山形県天童市出身で、現在は宮城県富谷町を拠点に活動されているという自己紹介がありました。続いて「山形市と水害」というテーマでお話されました。山形県内でも、川があふれる、土砂崩れが起こるなどの水害が起きるようになってきたそうです。南陽市の水害は記憶に新しいところです。その原因は、豪雨が増えたこと、年数を経て川底が上がったり、枯れ葉や稲わら等で水路が詰まるなどが考えられるそうです。
次に、山形市洪水避難地図(洪水ハザードマップ)を全員で見てみました。白や黄色、黄緑、水色など山形市全域が6色で塗り分けられています。これらは、水害になった時の周囲の水位を示しており、最も危険とされる青の地区の水位は5mに達するということでした。参加者の皆さんは、それぞれご自身の居住している地区を探し、その地区に塗られた色を確かめていました。

この山形市洪水避難地図(洪水ハザードマップ)を須川と馬見ケ崎川に注目して見ていきました。須川の周辺に青の色が多く見られます。この須川は氾濫すると大災害になる可能性があるそうです。一方の馬見ケ崎川の周辺にはほとんど青い色は見られません。しかし江戸時代には繰り返し大水害に見舞われ、昭和に入ってからは蔵王ダム等が作られましたが、昭和56年8月にも洪水があり、馬見ケ崎川は「洪水の歴史の川」だったということです。ダムも水路もメンテナンスをしなければ山形市は水害の町に戻るという言葉にはっとさせられました。
水害から身を守るためには、先ず地図を確認して防災マップを作り、自宅周辺の危険箇所を確認することが大事です。そして、日常から各家庭で自分にあったものを準備し非常持出品をそろえておくことや、大雨の時にはHPやテレビなどの災害情報に注目し、情報を集めることも大事なことです。
そして災害がおきそうであれば水平避難、垂直避難、屋内避難など状況に合わせた避難行動をとることも必要になってきます。講師の千川原さんは、ご自宅に倒壊の危険のある背の高い家具を置かない1部屋を作り、いざという時に備えているそうです。

第2部は、主催者のやまがた女性21の方がファシリテーターとなり、参加者全員でワークショップを行いました。テーブル前後2台を合わせてグループを作り、①これまでどんな災害の取り組みをしてきたか、②これからどんなことをやっていきたいかを話し合いました。
話し合いの前段で、やまがた女性21の方から、昨年度市へ提言した内容や、団体としてアンケート調査をしてきたこと、私の「防災力ノート」を作ったこと、火を使わないレシピ集を作成したこと等が説明されました。

それぞれのグループで話し合った結果、貯蔵する食品には賞味期限や消費期限があること、オール電化の住宅が増えていること、仙台市では都市ガスは破綻したのでエネルギーは一本化しないほうがいいこと、震災に備えた訓練時に避難所となる学校の鍵がなくて入れなかったこと、町内会の防災訓練に参加したが住民の方々があまり参加しないこと、無事を知らせる黄色い紙の活動に取り組んだこと、雨水処理が大変で泥かきなどはしていないことが考えられること、相談相手が男性ばかりで女性特有の授乳や生理用品に関する相談ができにくいこと等、多くの課題が出されました。
やまがた女性21からは、「防災力ノート」を有効活用し各自の持ち出し品を考えて備えて欲しいとのことでした。また、スーパーで提供している水も利用できるのではないか、食品や飲料を購入する時には、普段消費する量にプラス1個の備蓄をしていけばいいという提案もありました。山形市のウェブサイトで自分が居住している地区のマップが作成できるので活用してみるといいのではないかということでした。

最後に講師の千川原さんから、例えば防災運動会のような楽しめるアイテムを入れ込んで毎年訓練するようにしたらいいという話があり、日頃からよく目にしている身近な菓子で備蓄しておくと便利な食品を教えていただきました。そして女性の防災の環境を良くするような横断的なプロジェクトを企画してみるのもいいという提案をいただき終了となりました。参加された皆さんは、水害に備えるために自分の住んでいる地域のこと、また自分のこととして考えるべき課題や備えておきたいこと・ものが具体的にイメージできたようでした。

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やまがた女性21
(山形市春日町1-26 田中様方)
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