今年度、当センターで発行している情報紙「とぴあす」が100号を迎えます。平成16年(2008年)に第1号が発行されてから早17年、NPOや市民活動団体を取り巻く環境も変化し続けています。
この取材記事はとぴあす100号記念特集として「市民活動の今と昔」をテーマに取材を行いました。特集「とぴあす100号の歩み」と合わせてご覧いただけますと幸いです。
特定非営利活動法人環境ネットやまがた
特定非営利活動法人環境ネットやまがたは、地球環境と山形の豊かな自然を守ろうという目的の元、山形県地球温暖化防止活動推進センター業務や山形県環境保全協議会の事務局、環境省が策定したエコアクション21の地域事務局、環境や科学に係る学習の支援などの活動を通して地球温暖化防止に係る普及啓発活動を行っている団体です。
今回、とぴあす100号特集として「NPOの今と昔」をテーマに、環境ネットやまがた事務局長の大場健一さんより話をお聞きしました。
法人の成り立ち
きっかけは京都で開かれた地球温暖化防止京都会議(COP3)の開催された1997年(平成9年)以前までさかのぼります。COP3の開催を目前とした1996年、環境庁(現在の環境省)では環境分野への関心の高まりに対応するため、企業の環境に関する部署で勤務する方や、環境保全にかかわるボランティア活動をしている方など、環境保全に関する知識がある方を登録する「環境カウンセラー制度」を発足しました。県内でも20数名が登録しましたが、登録はしていても依頼が来ない状況が続いたことなどから、団体にしようと1998年に立ち上げたのが、前身となる「やまがた環境カウンセラー協議会」でした。
その後の協議会活動が目に留まり、山形県からの地球温暖化防止活動推進センターの指定を勧められたことがきっかけとなり2004年(平成16年)に法人化。名称も多くの人が活動に参加できるようにとの思いを込め「環境ネットやまがた」と決められたとのことです。
法人として地球温暖化防止活動推進センターの指定を受け、更に委託事業等を受けるにあたり、事務所や職員の常時配置など、たくさんの課題がありましたが、当時のNPOに対する期待も相まって県からの手厚い協力を受けることができたそうです。事務所は山形県環境科学研究センター情報棟の一角を借り、環境分野の委託事業や山形県環境保全協議会の事務局業務を受託することで職員を雇用するための人件費を確保しつつ、活動が始まりました。
その後、県の事業に加えて環境省の委託事業や補助事業を積極的に受託しながら、年々活動を広げて2007年(平成19年)には事務所を山形市内にあった山形県NPO支援センター内に移しました。
山形エコハウスの完成と移転
その頃から、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が山形県をはじめとした雪国で多いことに気づきます。冬の寒い時期にストーブに使われる灯油が主な要因になっており、東北芸術工科大学との連携で暖かい家づくりで暖房による二酸化炭素排出量を減らす取り組みを始めました。そのような中、山形県が東北芸術工科大学との連携で環境省からの補助を受け、山形エコハウスの建設に着手し、2010年(平成22年3月)に完成します。しかし、建設してから10年間は管理と普及・啓発活動をしなければいけないという要件があったそうです。ちょうどその頃、環境ネットやまがたが事務所を置いていた「山形県NPO支援センター」では、築年数の経過による取り壊しの話が持ち上がっていました。無償で10年間の管理と普及・啓発活動を行うかわりに、無償で事務所として使わせていただくという知恵で、2010年(平成22年)に移転し、現在に至ります。
設立20周年を迎えて
2023年(令和5年)、法人は設立20周年を迎えられました。大場さんからは、「これまで大変な時期は何度もあったが、様々な協力がありこうして活動が続けられている。地球温暖化対策は、2030年目標、2050年目標と、息の長い活動が必要。次の世代にバトンタッチしながら取組を継続していきたい。」とお話しいただきました。
当センターとは2004年(平成16年)に開催した設立記念セミナーの開催場所として会議室を使用したことをきっかけに、センターの指定管理への移行の際にも連絡協議会として関わりがあり、現在も山形市市民活動支援センター連絡協議会の理事として様々なご協力をいただいています。
環境ネットやまがたでは、山形エコハウスの見学対応や、連絡協議会の開催する「やまがた市民活動まつり」や山形県の主催する「やまがた環境展」への出展、指定管理者となっている山形県産業科学館でのイベント開催なども行っていますので、環境の分野に興味のある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。


●問い合わせ先
特定非営利活動法人環境ネットやまがた
TEL:023-679-3340
Email:eny@chive.ocn.ne.jp










