山形乾癬友の会創立20周年記念学習親睦会に参加してきました。

 乾癬とは、私たちの体を守る免疫システムが過剰に活性化することで引き起こされる慢性的な⽪膚の病気です。感染症ではなく、人にうつることはありません。代表的な症状は免疫システムの過剰活性による⽪膚の炎症症状(⽪疹)で、症状の現れかたによっていくつかの種類にわけられますが、個々によって症状に違いがあり、関節の痛みや発熱‧倦怠感といった全⾝症状がみられることもあります。
 山形乾癬友の会は東北初の患者会として2005年3月に設立され、「一人で悩まない、一人で抱え込まない」を合言葉に患者の学習や交流、啓発を目的に活動しています。設立から20周年を迎える本年、山形乾癬友の会創立20周年記念学習懇談会が霞城セントラル23階高度情報会議室にて開催されました。

 

 

 神奈川、群馬、東京、秋田、宮城、福島など様々な場所から24名の参加がありました。前半は日本乾癬患者連合会会長でNPO法人東京乾癬の会P-PAT理事長でもある添川雅之氏の「乾癬と共に生きてきた人生を振り返って~たとえ乾癬でも楽しく生きる~」というテーマで患者の立場から見た乾癬について講演がスタート。患者が抱える悩みやストレス、それをいかにして克服してきたか、その克服に患者会が果たした役割について当事者の目線からお話しをされていました。特に印象深かったのは「患者会を設立したときに、話すことで心が軽くなった、ありがとうと言われ、自分自身その一言で救われた。自分にもできることを見つけることができた。」という言葉でした。患者会が患者自身の生きがいに繋がっていることに気づかされました。

 後半はいわて乾癬友の会相談医の遠藤幸紀先生が医師の立場から見た乾癬について「乾癬を知り、自分を知り、そして仲間を知る~ともに悩み、ともに歩みましょう~」というテーマでお話しされました。講演の中で重要だと感じたことは病気について正しい理解をすること。病気は病気になって初めて知るということも多く、私自身乾癬について参加して初めて知ることばかりでした。患者会は1人で悩まず、正しい知識を得られるというメリットがあり、身体面・精神面での支えが必要な患者にとって重要な役割を持つことを知ることできました。

 最後に講演に対するQ&Aと参加同士の親睦会が開かれ、山形乾癬友の会の会長の鈴木由香里さんに創立から20年で山形での患者の取り巻く環境の変化と次に向けたミッションについてお話をお聞きしました。

 「この20年で患者を取り巻く環境も大きく変化しました。生物学的製剤の登場で特に皮膚症状については劇的に症状の改善が見られるようになりました。しかし、高額治療であること、他の症状との兼ね合いでそもそも投薬できない人がいるなど、乾癬患者すべての人がそこに繋がれるわけではありません。山形県内で治療を行える施設が4か所しかないことも患者の経済的負担となっています。遠方での治療、痛みを抱えながら働くつらさなど患者が抱える悩みやストレスは20年経ても、なお変わらず存在します。患者は長い付き合いになるこの病気を知らなくてはなりません。だからこそ、患者たちの知識の共有の場であり、何より患者同士が寄り添う場として、これからもこのような学習会を提供していくことが当会の役割だと思っています。」

 社会課題を解決する糸口は仲間と共に取り組むことです。1人で悩むことなく、山形乾癬友の会さんの活動にご注目ください。

お問い合わせ先
山形乾癬友の会
会長 鈴木由香里さん
Eメール:vickeysuzuki@gmail.com