すんべ会

逆川(さかさがわ)の清掃活動の様子

すんべ会は、逆川の清掃活動を通して、地域の環境保全と、地域のみなさんが交流を深めることを目的に活動しています。活動開始は平成9年。山形県のアダプト(川の里親)事業で、逆川の里親として、 「私たちは魚の泳ぐ川が見たい、冬鳥が休める川が見たい、しかしビニールの泳ぐ川は見たくない」をスローガンに、毎年、春と秋の2回に、清掃活動を行っています。

平成25年10月6日(日)に、すんべ会、大郷小学校児童、山形市環境課、山形市浄化センター、山形アルカディアライオンズクラブのみなさんが参加され、約30名のみなさんで清掃活動を行いました。いつもは50名程度での活動とのことでしたが、今回は農作業の収穫の時期と重なった等の理由で参加者は少なめ。大郷小学校前のJA駐車場に集合してミーティングを行った後、長靴、長袖、軍手やゴム手袋の万全の出で立ちで、気合十分川に向かいました。

その日は好天に恵まれて、川の流れも穏やか。子どもたちも我先にと元気いっぱいにお手伝いしました。

逆川は、山形県内で最も汚れた川と言われています。土手から一見すると、そんなにゴミがなさそうな印象ですが、堆積している砂や泥の中に、ゴミがたくさん残っていました。

河川清掃と一口に言っても、土手のゴミ拾いや草刈りで終わってしまう団体も多い中、すんべ会では、水に入り、川床にたまったゴミや廃棄物をあげるところまで行っています。

毎年の川床清掃にもかかわらず、すごい量のゴミが出てきました。ビニールのゴミ袋ではなく、麻袋を使って回収します。この麻袋や、軍手、廃棄物の処理費用などは、県のアダプト事業の補助金から購入しているとのこと。

川床のゴミを拾うのも大変ですが、土手にあげる作業も一苦労。私もお手伝いしましたが、ゴミの重さがズンと腰にきました。

私が驚いたのは、みなさんが嫌々参加している印象ではなかったこと。仲間で力を合わせ楽しそうに活動している様子です。会長の大場さんにお聞きすると、「そうだべ?俺たちはいつも楽しくやってるんだ。その理由はたぶん、子どもたちが元気いっぱい参加してくれるからだべなぁ」と話してくださいました。

しばらくすると、大人たちがゴミを拾い終えた場所で、子どもたちは網を持ち目を輝かせながら小魚捕り。大人たちが昔遊んだこのような川遊びを、子どもたちに伝えるいい機会になっているようでした。

約1時間半の清掃活動で、約100メートルの流域のゴミを拾いましたが、カセットラジカセ、タイヤ(ホイール付)、農作業で使うようなヒモ、ランプ、針金、空き瓶など、実に様々なゴミが出てきました。今回は麻袋で約60袋分のゴミを回収。いつもは1日の清掃で、麻袋を約90袋分のゴミがあがるそうです。職場で使う更衣室用ロッカーや、オートバイ、冷蔵庫など、大型のゴミも出ることがあるそうです。台風などで流れ着いたのか、不法投棄があったのかはわかりませんが、その事実にとにかく驚きました。

山形市環境課の方が、回収したゴミの放射線量を測定したところ、福島原発事故前のレベルなので安心してください、とのこと。まずは一安心。

麻袋いっぱいにゴミを拾い終えたところで、子どもたちがみんなで、元気に育ってくれることを祈りながら、鯉の放流を行いました。子どもたちに自分たちの住む地区を流れる逆川に関心を持ってもらい、環境を守る気持ちを育んでもらえるような工夫だそうです。

清掃活動終了後、みなさんでお疲れ会。お母さんたちが、厳選した材料で作ってくれた豚汁のふるまいと、ジュースの差し入れもあり、ゴミ拾いの「同志」同士、話に花が咲きました。

「今日は、いろいろなイベントや稲刈りなどで忙しい中、多くのみなさんに集まってもらった。今年の春、昨年の秋と、天候が悪く実施できなかったので、今日は活動できて嬉しい。毎年継続できているのが嬉しいこと。今後も、楽しく活動できるよう、みなさんにご協力をいただきながらやっていきたい」と会長の大場さんは話してくださいました。

子どもも大人も楽しめるイベントとして、大郷地区の恒例行事になってきたこの逆川清掃活動。まさに、「継続は力なり」を言葉通りに感じる活動です。年2回の清掃活動が地域に浸透しており、地区に住んでいるみなさんが自分たちの地区を良くしたいという思いが強いため、清掃に対する意識が高いことや、なかなか川で遊ぶ機会がない子どもたちに、きれいな川を残していきたいという大人たちの強い思いを感じた一日になりました。

一緒に活動してくれるボランティアを大募集、大歓迎とのこと。ご興味のある方は、今度ぜひ参加してみてください!

<問い合わせ先>

すんべ会

会長  大場和茂

電話 : 023-681-1649