にじ色キャンパス

「子どもアートセラピー」の様子をご紹介します!

 にじ色キャンパスは、東日本大震災で福島から山形に避難されている母子世帯や、福島に残って生活し続ける親子が、保養の一環で山形に来られる際に、子どもアートセラピーという方法で、子どもの心のケアをすることで、復興支援を行おうと活動を始めたボランティアグループです。

 今回の講座は、「子どもゆめ基金活動」の助成を受けて実施。そして、助成先の国立青少年教育振興機構が行っている「体験の風をおこそう」運動推進事業のひとつとなっています。この、体験の風をおこそう運動とは、子どもの健やかな成長に、体験学習がいかに大切かを広く発信し、社会全体で体験活動を推進する機運を高めることを目的としています。


 当日は子ども10名、大人7名の参加者が集まりました。

参加者は、以前に福島からの母子避難者をサポートする施設で「子どもアートセラピー」を開催した際に、参加したお子さんがもう一度やりたい!と希望して来た方や、メーリングリストを見て参加した福島からの避難者の方が多いということでした。

 初めに、代表の荒木さんが参加者を集め、スタッフの紹介をした後、子どもと大人(母親)それぞれに今日行うことについて説明しました。

子どもたちには、好きな画材を好きなだけ自由に使ってもいいということ、危ないことをしないように、他の子が作ったものを壊さないように、と注意点もお話しました。

 また、母親には、子どもアート療法についてチラシを用いて説明。「絵や工作で自由に表現することで、子どもの可能性や、やりたいことを見つけるきっかけになります」とのお話がありました。


 体験活動が始まると、子どもたちはそれぞれ画材を選んで、思い思いの形を表現していました。画材は、絵の具、色紙、クレヨン、ビーズなどがありましたが、特に紙粘土で色を混ぜて工作をしている子が多いようでした。

 初めは一人一人が自由に作業していましたが、時間が経つにつれてスタッフも加わり2~3人のグループで作業するようになりました。「もう少しで時間です」と荒木さんが知らせてもまだまだ足りない様子で、服を汚しながらも、最後まで元気いっぱいに楽しく過ごしていました。


 荒木さんは今回のイベントについて、「今回は子どもが対象だが、大人や高齢者が対象のプログラムもある。子どもが対象のアートセラピーは、アート療法士が絵から子どもの精神状態や成長の様子を読みとり、親と話し合うことで子どもの心のケアやストレスの発散を目的にしている。また、参加した親同士の交流する機会にもなり、同じ心境の人の意見を聞くことで悩みの解決につながるのではないか」とお話していました。しかし、山形にはアート療法士が少なく、活動を継続していくにも人手がいること、機会があればまたアートセラピーをしたいと思っているが、会場の選定が難しいことなど、今後の課題も多いようでした。

 子どもアートセラピーのイメージは、講師の方が絵を描きながら子ども(とその親)と話をすることではないか、と思っていました。しかし、アートセラピーを通して参加者の不安の解消や、意見交換の場をつくる事ができると知り、参加した方が笑顔で過ごしていた様子がとても印象的でした。今後の活動について、色々な分野の団体と協働で活動したいということで、山形でのアートセラピーの普及が進むことを願っております。

■お問合せ
 にじ色キャンパス
 山形市嶋南3-13-3-104 TEL:050-3636-1969