2025年3月22日土曜日、山形市民会館小ホールにて「人形劇サークルとんとん」の35周年記念公演、「夢は続くよ いつまでも」が開催されました。
「〝とんとん″と子どもの心をノックして 楽しい人形劇の世界を開きたい」という願いを込めて誕生した「人形劇サークルとんとん」は今年で結成35周年。普段は山形市立図書館を拠点に活動していますが、35年目にして今回初めての自主公演開催となりました。
午前9時30分の開場、続々と子ども連れのご家族や大人の方の観客が来場し、200名を超える観客で会場はあっという間に満席状態になりました。
満員の観客の熱気が高まるなか、いよいよ午前10時、開演の時間です。まずはじめに代表の村山さんの口上によるオープニングです。さいしょに会場全員で発声練習。観客全員での「あたしのあ!」「あなたのあ!」という発声に合わせて、舞台ではかわいいカエルが次々に顔を出し、楽しい舞台が始まりました。
続いてはうたのえほん。「しょうじょうじのたぬきばやし」や「どんぐりころころ」などの童謡の世界が舞台上で繰り広げられます。人形たちによるユーモラスで抒情的な舞台に、見ている人たちはみな引き込まれていきました。
うたのあとはおまちかねの人形劇です。準備が整ったかどうか、「もういいかい」の観客からの呼びかけに、舞台からは「もういいよ」という返事。それを合図にお芝居の幕が上がりました。最初の演目は「にんじん・ごぼう・だいこん」というお話。おばあさんが育てている畑の野菜たちが村のお祭りにいこうと、泥だらけの恰好をきれいにするために畑を抜け出してみんなで温泉に行くというお話です。おばあさんが大根たちを畑から引き抜こうとする姿や野菜たちの掛け合いに会場は笑いに包まれました。また、最初はみな茶色だった野菜たちが、お風呂から出たとたんにんじんは赤く、大根は白く変わるようすは、まるで歌舞伎の早替えを見ているようでした。
続いての演目は「さん吉とふしぎなたいこ」。さん吉が拾った不思議なたいこをたたくとどんどん鼻が伸びて、ついには空の雷様のところまで届いてしまって・・・というお話。たいこの音に合わせてぐんぐん人形の鼻がのびていく場面は、おかしみとともにいったいどこまで伸びていくんだろうという驚きがありました。雲から落ちたさん吉が、風に吹かれて空を飛び回る場面では、舞台から飛び出した人形が客席の上を飛び回って子どもたちと触れ合い、観客と一体になったお芝居が繰り広げられました。
最後にサークルのメンバー全員によるカーテンコールで幕となりました。みなさんの晴れやかな顔がとても印象的でした。
終演後にはメンバー総出で観客のお見送り。また、ロビーにはとんとんのこれまでの歩みや、これまで演じてきた人形劇で使われた人形が展示されていて、大勢の人たちが人形に見入ったり、写真を撮ったりしていました。おみやげとして、子どもたちにはかわいいカエルの指人形がプレゼントされていて、この時ばかりは自分が子供じゃないことが悔やまれました。おみやげはともかく、私にとっては初めて生で人形劇というものを観て、その楽しさに触れることができた大満足のひとときでした。
今回の公演のタイトル「夢は続くよ いつまでも」の言葉通り、次の40周年、そしてさらに未来に向けて、子どもたちはもちろん、大人の人にも人形劇の楽しさを伝えていただけたらと思います。
人形劇サークルとんとんでは現在、いっしょに活動する仲間を募集しているそうです。もし人形劇に興味がある方は、参加してみてはいかがでしょうか。
- お問い合わせ
人形劇サークルとんとん
TEL:090-4550-3888(村山)