「STAGE!!~人生ここから~」
令和8年7月12日(日)/山形県生涯学習センター
東北舞台芸術プロジェクトは、舞台芸術を通じて人と人とのつながりを育み、地域に根ざした文化芸術の基盤を築くことを目的として、2025年12月23日に設立された特定非営利活動法人です。
人口減少や若年層の流出が進む東北地域では、専門的な舞台表現に触れる機会や継続的な発表の場が限られているという課題があります。同法人はこうした地域課題に向き合いながら、舞台芸術を軸とした事業を体系的に展開しています。
主な事業には、プロの俳優・演奏家・指導者と協働したミュージカル公演の企画・制作、絵本や地域文化資源を題材とした舞台作品の開発、学校・福祉施設・地域イベント等での巡回公演や体験型プログラム、さらに演劇的手法を活用した企業・団体向け研修事業など、多岐にわたる取り組みが含まれています。
■旗揚げ公演となったミュージカル
今回、山形県生涯学習センターで開催された「STAGE 〜人生ここから〜」は、プロの俳優・演奏家・指導者と協働したミュージカル公演であり、同法人の旗揚げ公演として位置づけられました。
300席の会場はほぼ満席。開演前には「開演に先立ってのお願い」がアナウンスされましたが、通常の淡々とした案内とは異なり、元気いっぱいの7人の子どもたちが客席後方から走り出し、ステージに駆け上ってコミカルに伝えるという演出で、会場の空気が一気に温まりました。
■前半:大人たちの再挑戦を描く物語
前半のミュージカルは、かつて夢を追いかけていた主人公と仲間たちが、忙しさに追われる日々の中で「もう無理だよね」と諦めかけていた心に、再び火が灯る物語。心の奥に残っていた“あの頃夢中だった舞台”への想いが動き出し、笑いあり、ちょっとした失敗あり、また笑いあり。等身大の大人たちの姿が観客の胸に響きました。
■後半:歌とダンスのレビューショー
休憩後の後半は、歌とダンスが次々と繰り広げられるレビューショー。華やかなステージに引き込まれるだけでなく、観客も一緒に参加できる演出があり、会場全体が一体となってフィナーレを迎えました。
■舞台に込められた想い
2部レビューショー後半でのそれぞれの役として語った言葉が印象的でした。
「昔の自分たちに負けたくない」
「応援してくれる人、支えてくれる人、仲間がいるから舞台に立てる」
「この喜びを当たり前だと思わないようにしたい」
■佐竹代表より
稽古時間が限られる中で重点を選び指導すること、中心役を担う大人キャストの不安に寄り添いながら作品の質を保つことが最も苦労した点でした。特に、山形大人キャストのお二人が自信を失った時期には、厳しさと同時に「この役をお願いした理由」を丁寧に伝え、3人で壁を乗り越えた過程が印象深いです。子役には保護者と連携し、必要な練習を個別に共有しました。ゲスト出演者が前日入りだったため、事前に動画やオンラインで動きを伝え、短期間でも安心して舞台に立てるよう準備を重ねてきました。
舞台上では役として生きることに集中し、観客を直接見る感覚はないですが、レビューショーや終盤では多くの来場者への感謝が自然と湧き上がってきました。公演を終えた今は、支えてくれた多くの人への感謝とともに、演出面の課題を改善し、作品を一度きりで終わらせず東北へ広く届けたいという思いが強いです。舞台芸術が人を成長させる力を改めて実感し、今後も挑戦を続けていく決意を抱いています。
舞台芸術を通して地域に新たな文化の息吹をもたらそうとする同法人の姿勢が、言葉とステージの両方から伝わってきました。
(文責:有川)
問い合わせ先/NPO法人東北舞台芸術プロジェクト
Email:touhokubutai.musical@gmail.com












