令和8年7月12日に山形県手話通訳問題研究会(通称:山形通研)の結成40周年記念式典・講演会「40年の絆 仲間と歩み続ける山形通研」に参加してきました。
山形通研は1986年に設立し、手話通訳を通じて聴覚障害者たちの福祉向上を目的に活動しています。主に手話通訳に関する学習会・講演会の開催や手話通訳者の健康を守るための取り組みなどを行っています。
今回の講演会は「全通研と私 手話通訳者の健康問題に取り組んで」と題し、びわこリハビリテーション専門職大学客員教授の垰田和史先生を講師に迎えて開催しました。垰田先生は長年手話通訳者の健康問題について取り組んできており、健康調査や検診、講演会などの活動をしております。
今回の講演では手話通訳者の職業病である頸肩腕障害(けいけんわんしょうがい)に関する話をされました。頸肩腕障害とは、腕や指を繰り返し使う仕事や長時間同じ姿勢で行う仕事についている人たちに発生する職業病のことです。主な症状として首や腕、手などに痛みや痺れを引き起こします。1970年代に手話通訳制度が整備されて以降、全国各地に手話通訳者を配置したものの、腕や手を連続して動かす業務により頸肩腕障害を発生する事例が多発し、社会問題として表面化しました。この事例をきっかけに厚生労働省と関連団体による全国規模での調査が行われた結果、多くの通訳者が同様の症状で苦しんでいることが判明し、頸肩腕障害は手話通訳者の職業病として社会に認知されるようになりました。手話通訳は手話と言語を同時通訳するだけでなく、腕や手を駆使するため、通訳者に大きな負担を生じることが分かりました。
後半では2025年に行われた手話通訳者の健康調査についてお話しされました。2025年の調査によると手話通訳者の高齢化が年々進んでおり、2025年の平均年齢は57歳でした。また健康状態については、通常の業務の他に相談対応、事務作業により疲労や精神的ストレスを抱えている通訳者が多く、健康状態は悪化の傾向にあると見られました。
垰田先生は「手話通訳者の健康を守るためには国や自治体による適正な相談や支援体制の整備、聴覚障害者との共同で取り組むことが課題である」と話されていました。
最後に山形県手話通訳問題研究会さんに今後の活動についてお聞きしたところ、「全ての市町村に「手話言語条例」を制定することを目標に活動しています。手話を言語として広めることで聴覚障害者がどこでもコミュニケーションが取れる社会にしたい」と話されました。手話について興味のある方はどなたでも参加できます。気になる方は是非参加してみてはどうでしょうか。(文章:最上)
【お問合せ先】山形県手話通訳問題研究会
E-mail:meitotoro1830@yahoo.co.jp











