ちょうど節分の日の2月3日、全国パーキンソン病友の会山形支部の支部長に昨年就任された松木純子さんにお話をお伺いしました。

パーキンソン病というと、マイケル・J・フォックスやモハメド・アリが発症した、まさに難病といったイメージが強いのですが、目の前に座っている松木さんは、最初私にはそんな病気を患っているようには見えませんでした。

お話をお伺いしてわかったことですが、パーキンソン病というのは患者さんによって症状や進行状況も変わり、同じ患者さんでも一日の時間帯によって症状が変わることもあるものなのだそうです。

パーキンソン病には、40歳以下で発症する若年性のパーキンソン病の抱える問題があるといいます。特に就労世代の方で患者さん自身、病気によって仕事を失ってしまうのではないかという恐れから、カミングアウトするのを躊躇したり、適切な支援を受けられずにいる方もいるといいます。松木さんはご自身の体験から、そんな悩んでいる人たちを救ってあげたいと言います。

 

■パーキンソン病を発症して

松木さんは、以前は看護師として勤められていました。発症はいまから15年前、ちょうど、それまでより責任ある立場に昇進した45歳のときでした。手の震えから体の異変を感じたそうですが、はじめはパーキンソン病と診断されるのが怖かったといいます。さらに、パーキンソン病と診断されてからが、松木さんにとって本当につらい日々の始まりでした。というのも、病気のことを知られることで、今の生活が壊れてしまうのではないかとの恐れが大きく、それから6年間、周囲に症状を隠しつつ働き続けたそうです。当時は手書きの書類が多く、震える手で文字を書く作業は、松木さんにとって、かなりの時間と労力のかかる作業でした。そのため人よりも早く出勤して準備し、人よりも遅くまで残って作業する日々が続いたそうです。そんな日々が続いたある日、机に積まれたカルテの山を見たときに、それまでがんばり続けていた心がついに折れてしまい、その日から仕事に行けなくなってしまいます。そこから2年間、うつ状態で外にもなかなか出歩けなくなり、沈んだ気持ちで日々を送りました。

しばらくは落ち込んだ日々が続きましたが、「このままではいけない。」「自分の人生を諦めたくない!」そんな思いが大きくなり、なんとかどん底の状態から立ち直ります。そのタイミングで、パーキンソン病友の会の存在を知り、積極的に活動に参加するようになったそうです。

当時を振り返って、悩んでいた自分自身も含め、多くの人たちに伝えたいと松木さんは言います。まず、いかに早期発見と早期治療が大切か。早期に発見・治療にとりかかることで、その後の症状に大きく影響するということ。患者さんは病気の知識がない上に、お医者さんも説明不足の場合があると松木さんは言います。患者にとってみれば、必要なものは何か、そしてそれはどこに行けば教えてもらえるのか、全くわからずにただただ不安な状況に投げ出される―そんなケースが多いそうです。

 

■看護職の経験を活かして、患者さんによりそうアドバイザーとしての役割

友の会では、松木さんは自身の看護職としての経験と同時に、患者としての立場で状況を見ることができる、まさに両者の橋渡し的な存在となっています。そのため、会の活動として、現在さまざまな人の前で自身の経験を話すことも多い松木さん。相手は患者さんであったり、ときには医療従事者の前で話すこともあるそうです。

松木さんが支部長となられてまもなく1年。改めて会の活動を振り返ると、まだまだ周知活動が足りないと感じているとのこと。難病はわかりづらいというのが世間の認識であり、多くの場所で受け入れてもらえないのが現状です。難病を持つ人のくやしさをわかってほしい、そして難病の人たちが働き続けられる社会を実現したい、それが松木さんの願いです。

以前の松木さんのように病気を隠しながら働いている多くの人に、相談出来る場所があることを知ってほしい。多くの人たちに友の会の存在を知ってほしい。そう考えて、松木さんは日々の活動を続けています。

現在、山形県支部では、数名の専門医の方に顧問となってもらい、孤立しがちな患者さんへの声掛けや、一般の人たちが難病に対する理解を深めるための講演会や交流会などにも協力してもらっています。なんといっても専門医の先生の声掛けは、とても大きな影響力があり、それによって会員になられた方も多くいるそうです。

自分自身がさまざまなひとを結ぶかけ橋になりたいと、松木さんは言います。多くの人とつながることで、わかってくれる人、助けてくれる人もたくさん増える―そのためにも今年はさまざまなところに顔を出し、できる限り多くの人と知り合いたい。また、後継者づくりも考えたいとのこと。

ありのままの自分を受け入れること。たとえ失敗しても挑戦してみること。いいと思ったら実行すること。この思いを胸に、松木さんは今日も活動を続けています。

現在の松木さんは、海釣りや渓流釣り、キャンプ、着物を着ること、旅行や俳句など、たくさんの趣味を楽しんでいます。お話を伺って、私も松木さんに元気をもらえた気がします。

 

そんな松木さんのブログはこちらからご覧いただけます。

ホワイトの紫陽花日記
https://blog.goo.ne.jp/moko3651

また、友の会では随時会員を募集しています。「遊びり会」という患者と家族の方の交流会も定期的に開催しています。詳しいことはこちらをご覧ください。

 

全国パーキンソン病友の会山形県支部 (google.com)

 

今現在、難病と一人で戦っている人たちがこの会を知り、いっしょに悩んでくれるひと、たくさんの助けてくれるひとの存在を知ってほしいと思います。また、一般の人達にも、身近にある難病というものを知ってほしいと思います。

 

山形大学医学部附属病院は2021年4月に「難病診療連携センター」を設置しました。2022年1月には同センターのホームページも開設しています。そこでは難病に関するさまざまな知識や情報を知ることができます。あわせてご覧ください。

山形大学医学部附属病院 難病診療連携センターホームページ

https://yamagata-med.center/

 

患者会は全国に支部があります。山形支部の発足から22年、会員数は現在90名を超えています。県内4つのブロックに分かれ、医療講演会を開催したり、定期的にコミセンに集まり学習会や進行を予防する体操に取り組んでいるとのことです。

詳しいことがお聞きになりたい方は、下記あてにお気軽にご連絡ください。

  • お問い合わせ

全国パーキンソン病友の会  山形県支部

TEL:023-645-2645 松木まで

Eメール:matuki-m@outlook.jp