特定非営利活動法人ハート・ルート・ドライブ

特定非営利活動法人 ハート・ルート・ドライブは、介助を必要とする高齢の方や障がいを持つ方など公共交通機関を使用して移動することが困難な方に対して、通院・通学・通所・レジャーなどを目的に有償で送迎サービスを行う「福祉有償運送」を行なっています。

代表理事の宮林さんの活動のベースとなるのは「自宅や施設から、一歩踏み出すのも困難な方に外出する機会を増やしてもらい、社会に参加してもらいたい」という想い。交通弱者といわれる、高齢の方・障がいを持つ方が通院等で外出する場合、家族が送迎したり、タクシーを利用したりすることが多いのですが、家族の負担や経済的負担が重くなっています。また本人の精神的負担も多くなり、外出をしなくなるケースもあるそうです。このような問題で困っている地域の方々を支えたいと、平成19年10月「特定非営利活動法人ハート・ルート・ドライブ」を設立しました。
 『高齢者、障害者、障害児等支援を必要とする人達に対し、住み慣れた地域で、その人らしく尊厳を持って生活が送れるよう支援を行い、社会的孤立感の解消、心身機能の維持向上を図り、福祉の増進に寄与すること』を目的として活動しています。

「ハート・ルート・ドライブ」の名前の通り、利用する方には「ドライブ」を楽しんでもらいたいと宮林さんは話します。「家族とドライブ」「友達とドライブ」、ドライブという言葉には「外出にわくわくする」
「車で楽しい時間を過ごす」というイメージがあるそうです。安全に目的地へ移動することは大事ですが、自分の車のように、利用する時間を快適に過ごすことも大切なことで、外出することが楽しみになってくれれば嬉しいとおっしゃっていました。
 子どもたちの学校の送迎時は、子どもの好きなミュージシャンを聞き、その子が楽しくなるカセットやCDを準備し流してあげています。また、利用者の状態に応じ、その人にあった車種に換える工夫もしています。電動車いすの方には、リフト付の車。ご家族も一緒に同乗できます。揺れの負担がある車椅子の方には、セダンを利用して体への負担の軽減を図っているそうです。そんな工夫が会員さんにとても喜ばれています。

今後は障がいを持つ方の外出の機会を確保し、「出かけるよろこび」を感じられるような仕組みを作っていきたいそうです。例えば、山形大花火大会や花笠まつりに出かけてもらうなど、イベントへの移動のサポートもしたいと考えています。イベントや観光地でもっとたくさん障がいを持つ方の楽しむ姿があってもいいのではないかと宮林さんは思うそうです。どんな場所にも当たり前のように、障がいを持つ方のいる風景、そんなボーダレスな社会になればといいとおっしやっていました。

 地域に根差したコミュニティビジネスとして利用者はもちろんのこと、様々な立場の人たちとも一緒に活動し、「ハート・ルート・ドライブ」の活動に対する理解を深めてもらうとともに、ボランティアの方にも参加してもらえるように取り組んでいきたいそうです「ハート・ルート・ドライブ」の 活動が継続し、実践されていくことで、山形市での高齢の方・障がいを持つ方・健常の方が隔てなく、手を取り合い共に暮らせる社会になればいいと思いました。