令和4年3月12日に霞城セントラル23階の高度情報会議室にて「モルヒネ友の会」主催の「第57回 痛みの情報交換会~取材を通して見えてきた痛みを抱える患者さんの現状とモルヒネへの理解~」が開催されました。

「モルヒネ友の会」は、“痛み治療のためモルヒネを長期間服用しても、依存や異常行動が起こらないことを患者自身が示し、モルヒネに対する世間の誤解や偏見等を払拭する活動をする。そして、正しい痛み治療とモルヒネの安全性を普及し、痛みに苦しむすべての人のクオリティ・オブ・ライフの向上に寄与すること”を目的として活動している認定NPO法人です。

 今回の情報交換会は、話題提供者として痛みを抱えた患者たちを取材してきたYBC記者の沼尾 薫さんの発表から始まりました。

前半では、沼尾さんがYBCテレビで報告したドキュメンタリー『我慢しなくていいよ』を上映して、患者や一般の人たちのモルヒネに対するイメージや考えを紹介し、撮影をして感じたことやこれからの課題についてなどが話されました。

▲ドキュメンタリー映像を見ている様子

沼尾さんがドキュメンタリーを制作したきっかけは、去年の2月にモルヒネ治療を知ったことからだそうです。モルヒネ治療は、効果はあるが危険なものという“偏見”があるのではないかという疑問があって、「モルヒネ友の会」理事長の加藤佳子先生(三友堂病院緩和ケア科医長)を取材しました。その結果、「モルヒネ=体に悪いという偏見」を正すたすけになればとの思いから、去年9月、前述したドキュメンタリーの放映に結びついたそうです。番組で紹介されていた患者たちの大半はモルヒネに対して、はじめは「怖い」や「不安」と感じていました。しかしモルヒネの説明を詳しく行い、診察後も患者に電話で体調や痛みの変化をしっかり確かめる医師の様子が映像でわかり、患者が信頼を深めていったことが納得できました。

後半では、今回イベントに参加された方、実際にモルヒネを服用している方やそのご家族、モルヒネ友の会の活動に参加している方などの意見や感想など、モルヒネや痛み治療についての情報交換が行われました。

▲情報交換会の様子

使用したことがあるからこそわかるモルヒネの良さや、使用したことがないからこそ考える不安など、様々な意見を聞くことができました。

加藤佳子理事長は「モルヒネを使い始めた患者に電話で適切な服用方法を支援することが安全にモルヒネを使う第一歩。情報交換会や講座を開いたりすることでモルヒネの適切な使い方を多くの方に知ってもらい、“モルヒネは悪いという偏見”をなくしていきたい」と話していました。

良いイメージと悪いイメージの両方があると、どうしても悪いイメージの方が強くなってしまいがちです。そういうときこそ一度立ち止まって、自分で調べたり専門家の意見を聞くことが大切なのだと感じました。

 

■問い合わせ先

認定NPO法人 「モルヒネ友の会」

〒992−0045 山形県米沢市中央6丁目1−219

三友堂病院 地域緩和ケアサポートセンター内

E-mail : moruhinetomonokai@gmail.com

TEL: 0238-24-3700(三友堂病院)