令和6年8月3日(土)に、山形市保健センター視聴覚室で開催された全国ギャンブル依存症家族の会主催の「全国ギャンブル依存症セミナー&家族相談会」に参加してきました。会場には、山形県・市議会議員の方や行政等の支援者、愛知県や関東方面、新潟、宮城、札幌などから来られた家族会の方など、150名近い参加者になりました。
2014年に「公益社団法人 全国ギャンブル依存症を考える会」が設立され、2016年東京でギヤンブル依存症回復施設の入寮者家族を対象にした家族会が開催されました。その後、各地域に家族会が結成され山形は全国で39番目の家族会になります。
セミナーではギャンブル依存症の当事者の方や家族会の方の体験談、酒田市の山容病院の小林院長、「公益社団法人 全国ギャンブル依存症を考える会」代表の田中紀子さんの講話がありました。中でも代表の田中紀子さんは、ギャンブル依存症から回復された元当事者でもあります。
田中さんは昨今ギャンブル依存症がマスコミに取り上げられるようになりましたが、厚生労働省の調査(2017年)で成人の3.6%、320万人がギャンブル依存症の疑いがあるとの報告があります。従来のパチンコ、パチスロのギャンブル依存症に加えて、近頃ではオンラインカジノやオンライン競馬・競輪、ゲームの課金など、スマートフォン1台で誰にも知られずにギャンブルをすることができるようになりました。そのため10代・20代の若年層の増加とギャンブル依存症になるまでの期間が非常に短く、借金が高額になる結果を招いている、と現状を話してくださいました。
また家族会山形の兼子さんは、ギャンブル依存症は「否認の病」「家族の病」と言います。本人は自分が病気だとなかなか認めず一人で解決しようとします。そのためギャンブルで失ったお金をギャンブルで取り戻そうとして、逆にそこから抜け出せなくなります。家族が知る頃には、借金が膨らんでしまい借金返済のために横領や詐欺、闇バイトの誘惑など、犯罪に巻き込まれやすく自死が多いと言います。「ご家族や子どもさんのギャンブルで悩んでいる方は、相談会にいらして下さい。秘密は守ります。」と、兼子さんは話して下さいました。
今回のセミナーに参加して、誰でもギャンブル依存症になる可能性があること。ギャンブル依存症の偏見をなくし、正しい知識を得るための啓蒙活動や専門機関、相談支援との連携が必要と感じました。アルコール依存症は身体を壊しますが、薬物やギャンブル依存症は家族や友人、職場など大切な人との繋がりを失ってしまう病だと思いました。
お問合せ先:080-3123-2100(担当・堅田さん)