ぷらっとほーむ
山形市江南で若者たちの居場所づくりのためにフリースペースを運営している「ぷらっとほーむ」。2003年から活動を開始し、昨年一年間で、のべ1000人以上の方が利用しています。
開所している時間は、水曜日から土曜日の11時~17時まで。利用(活動)内容が、決まっているわけではなく、利用者が好きな時に来ることができ、それぞれ自由な時間を過ごすことができます。時には、皆でカラオケに行ったり映画に行ったり、料理を作ったり。友達とおしゃべりしていてもいいし、一人でゆったり過ごすこともできます。
また、月のイベントとして利用者、それにスタッフも加わって、社会ゼミや読書会などを開催し、学びを共有し合う場を設けています。
“フリースペース”というと、一般的には、主に不登校の子どもたちを受け入れる場所というイメージがあると思います。しかし、「ぷらっとほーむ」の利用者は、そういった子どもたちだけでなく、会社員や大学生など、年代も10代から40代までと幅が広く、様々な方が利用しているので、世代の違う方との交流もできます。
その「ぷらっとほーむ」が今年度開催したのが、“社会体験ワークショップ”。やまがた社会貢献基金の助成を受けて行いました。
この“社会体験ワークショップ”は、若い世代のみなさんに、日頃感じることのできない自分の身近にある様々な社会の視点を体験してもらうこと、そして、このワークショップをきっかけに自分の周りを見る視野を広げてほしいということがねらいです。
これまで、模擬労働相談を受け解決まで導く労働相談体験や、マニュフェストを制作する政治体験ワークショップなど、全8回のワークショップが行われました。ゲストは、労働相談センターの事務局の方や、国会議員の方、ドキュメンタリー映画監督の方々でした。
そして第8回目のワークショップ「TV番組の企画のつくりかた」が、平成21年3月15日(日)13:00~17:00、山形市市民活動支援センター高度情報会議室で行われたので、私柴田も参加してきました。その様子を紹介したいと思います。
今回は、 “ニュース番組の企画の作り方”がテーマです。現在TUYでデスクを務める松田明子さんがゲストで、参加者は7名でした。
※デスク…新聞社やテレビ局などで記事の取材・編集を指揮する人。
まずは最初に、松田さんのお仕事である“デスク”とは、どんな仕事なのか説明があり、その後基本的なニュース番組の組み立て方や組み立てのポイントを教えてもらいました。
松田さん:
「ニュースの組み立てにはポイントがあります。県民のみなさんがどういったことに興味を持っているのか?多くの人が知りたいと思っていることか?いつ起きたことなのか?季節感のあるニュースなのかなど、様々なことを考慮しながら組み立てていきます。」
その後、その教えていただいたことを踏まえながら、実際に前日企画されたニュース番組の項目を、自分自身で組み立てるワークを行いました。
そのニュース項目は、以下のような項目が挙げられていました。
・モンテディオ山形ホームゲーム開幕
・山形商業でアメリカから生で遠隔授業
・村山市の浅草寺奉納大わらじ制作へ向けての取り組み
など10項目です。
そして、それぞれのニュース番組を組み立てた後、なぜ自分がその組み立て方にしたのかを参加者一人一人発表しました。山形県内全域の様々な分野のニュースが並んでいます。それらを、自分なりのニュース番組にしてくわけですが…。う~ん。どれも大事なニュースのような気がして選ぶのが意外と難しい。日頃、何気なく見ているニュースの組み立てが、こんなに様々なことを考慮して選ばれているとは知りませんでした。
さて、実際のオンエアではどういった感じになったのでしょうか?実際に放映された番組を見て自分の立てた企画と比べてみます。
ニュースに映像や音声が入ると、そのニュースの重要性も改めて伝わり、新聞などの文字のニュースとは違うテレビならではの長所を改めて感じることができたようです。
参加者は、普段はニュースを見る側ですが、ニュースを企画するという新たな視点で、山形で起こっていることを見ることができたのではないでしょうか?
「今の若い世代は、社会に対しての視野が狭く、孤立してしまいやすい。また、新たな視点を得られる場所やそれを得られるようなつながりも少ない。「ぷらっとほーむ」では、そういった若者に社会に対しての視野を広げてもらえるような活動をしていきたい。」と、共同代表である滝口克典さんと松井愛さんはおっしゃっていました。
代表のお二人は、自分たちが何かを教える・提供するという関係より、利用者と同じ目線に立ち、一緒に学び、体験し、議論しあい、お互いに高め合うことができる関係であることを大切にしているそうです。また、他県のフリースペースを運営する団体との合同研修会やワークショップの講習会に積極的に参加して、運営する自分達自身の視野を広げる努力をされていました。今後も、「ぷらっとほーむ」の様々なチャレンジが期待されます。
利用者の皆さんに、『愛ママ』『かっちくん』と親しみをこめて呼ばれているお二人。「ぷらっとほーむ」の和気あいあいとした雰囲気が伝わってくるようですね。
「ぷらっとほーむ」の日々の活動を紹介しているブログがありますので、ぜひご覧ください!
ブログ: http://d.hatena.ne.jp/taki-plathome/
ホームページ: http://www11.plala.or.jp/plathome/