山形子ども劇場

 今年で35周年を迎える山形子ども劇場。「親子で一緒に生の舞台を見たい」「子ども達が豊かに育ってほしい」と思う人達が、作り上げている会です。
山形市の会員は現在120名。親子会員は、すばらしい生の舞台を定期的に鑑賞したり、会が主催する子どもまつりや冬まつりなどでさまざまな遊びを体験したりしています。その他に、お母さん達が世代を超えて、子育てのことやその他なんでも話ができる場も提供。子どもの成長を温かい目で見守りながら、35年の歴史を歩んできました。

今回は第184回鑑賞例会「のらペンギンのぺんじろう」にお邪魔して来ました。九州からお呼びしたNPO法人劇団道化さんが子どもたちの目の前で繰広げる世界を、子どもたちは目をキラキラさせ、ニコニコしながら見入っていました。今日のテーマは「友情」。友達はいい時はいいけれど、すぐケンカしてしまうから「わずらわしい」。ほんとうに友達っていいものなの?大人も大笑いしたり、ホロッとしたり、劇に引き込まれてしまいました。




ただ劇を鑑賞するだけでなく、当番の子どもたちは切符のもぎりや4つのお約束の係りなどそれぞれ自分の役目を担当していました。親も準備や片付けに参加。日頃見ることのできない劇団のバックヤードが見られたり、劇団の方とお話できたりと、劇を楽しむだけでない楽しさもあります。

子どもが日常と違う世界である演劇と出会い、心と体で感じることは、豊かな人格を作る材料となります。言語による理解や抽象的な思考力がつき、大人になったとき、自分の思いや意見を伝える力に結びつくそうです。キーポイントは「親子一緒」。親子で過ごせる時間はとても短いもの。親子で一緒にワクワクしたり、じーんとする気持ちを共有する事で親子の絆を深めます。親子で作った大切な時間は、子どもにとってかけがえのない宝ものとなるのでしょう。

今日のパンフレットや子どもたちのお土産は会員の方の手づくり。会報誌の作成や運営等すべて自分たちの手で行なっています。代表の武田さんは「私も子ども劇場のみんなの中で子どもを育ててもらったという感じです。自分たちがしてもらったことを恩返ししたいと思いで活動しています。35年の歴史、自分たちのやってきた活動が続けられるのは嬉しいこと。今の会員さんが40年、50年を迎えられるようにしたいと思います。」と話してくださいました。
現在は山形子ども劇場だけの事業でなく、他の団体さんと連携することも増えてきました。すてきな人と出会う、すばらしい作品と出会う、この出会いが親と子を温かく包み育てていくのでしょう。