認定特定非営利活動法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭が開催した金曜上映会「8ミリフィルム50フィート映画祭 パーソナルフォーカス」にお伺いしてきました。 この法人は、1989年から「山形国際ドキュメンタリー映画祭」を山形市と共催して隔年開催しています。2006年4月任意団体として山形市から独立し2007年2月にはNPO法人として認証されました。更に2013年10月8日に「認定NPO法人」の認定を受け、ドキュメンタリー映画や貴重な映像を世界中から収集し、それらの上映会や、映像ワークショップの共催、映画作品の貸出などの活動をしています。今回お伺いした金曜上映会は、月2回開催しているもので通算545回目となります。

今回上映された「8ミリフィルム50フィート映画祭 パーソナルフォーカス」はすべてオリジナルの8mmフィルムで、かつて全国を巡回した時の、東京と山形からの作品の上映会という位置づけで開催されました。 担当の黄木さんにお話をお聞きしました。「パーソナルフォーカス」が始まった1978年の頃は8ミリカメラも身近な存在、表現手段の一つとして多くの人が選択する手段だったということです。そんな時代に、誰もが映像作家になれる場を目指したとのこと。現在は8ミリフィルムの入手が難しく、現像処理も薬品を購入して自分たちの手で行っている方もいるということで、そこまでしてもやりたい魅力があるそうです。今回は色んな作品が集まっているのでたくさんの市民の方に観て触れていただきたいと話していました。

開会に先立ち副理事長で東北芸術工科大学の教授である加藤到さんから挨拶がありました。今回の上映会のフィルムの中には、加藤さんが28歳の時に制作した作品も含まれているとのことです。いよいよ上映会の始まりです。室内の証明が全て消され一寸先も見えない闇の中、リールが回る音が響きます。懐かしい音に聞き入っていると、スクリーンには雑音と一緒にリーダーフィルムが流れます。

 リール1からリール4まで、リールの掛替の時間の休憩を挟んで37作品が上映されました。モノクロの作品もありフルカラーの作品もありました。無声映画(サイレント)や全編に音楽が流れる作品、出演者の声が入っているものや制作者の声が入っているものと様々に楽しむことができました。地下室に、個人映画のオモチャ箱をひっくり返したような懐かしさと楽しさが溢れていました。

参加していた女性の方に話をお聞きしました。「退職する前は、ドキュメンタリー映画祭を応援する意味合いで、上映会のたびにチケットを購入し鑑賞していました。何回目かの上映会で「黒い収穫」というニューギニアの映画を鑑賞し、今までに感じたことが無いほど感銘を受けたそうです。それ以来都合がつく時は友人を誘って足を運んでいるとのこと。ドキュメンタリー映画の醍醐味を多くの市民の方に知ってほしいと思います。」とのことです。

山形市がユネスコ創造都市ネットワークへのFILM(映画)分野での加盟が認定されたこともあり、市民みんなで盛り上げていきたいですね。 私が8ミリフィルムを鑑賞したのは久しぶりでした。撮影現場は都会の雑踏や自宅の部屋の中、川べりや山、森の中、高速道路を走行中、庭の猫など内容の多様さと共に、制作者側の思いがとても強く伝わって来るものでした。私達が今生きているこの瞬間、地球のどこかでは何が起きているのでしょうか?普段はそんな事を考える機会はあまりないのですが、世界には私達が知らない現実が数多く存在します。一切の加工や、事実を湾曲させることもなくありのままを伝えるドキュメンタリー映画は、現実を伝えてくれるだけでなく、今私たちが何をすべきなのかを教えてくれる気がしました。

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