やまがた福祉移動サービスネットワーク
「やまがた福祉移動サービスネットワーク(以下移動ネット)」は、市民の手で地域生活交通を支える移動サービス団体、事業者の設立・法手続き・運転者の指導、訓練等のサポート活動を通して、すべての市民へ安心安全な移動手段を提供することを目的に活動しています。
『移動サービス』とは、電車やバスなどの公共交通機関の利用が困難な高齢者の方や障がいのある方等を対象に、車を使って外出支援を行うサービスのこと。移動だけでなく、利用者の方の昇降介助や自宅のベッドから車の乗降介助、目的地内での介助など、個別のニーズに合わせたサービスを利用することもできます。

(上の写真:運転者講習風景)

(上の写真:リフト式車両を操作する受講生)
移動ネットでは、移動サービスに携わる方々を対象に、地域運営協議会主宰の運転者講習(年2回),運転管理者講習などの運転技術習得そして、運営や地域の交通企画のアドバイス、情報提供などを行っています。
非営利での移動サービスは、以前はいわゆる「白タク(自家用車での有償運送)」に当てはまり、法制度上の問題が取り上げられ、法の整備がされないまま運行されてきました。ですが、2004年の道路運送法の改正で、NPO等のボランティア輸送として有償運送(福祉有償運送、過疎地有償運送)の具体的な解釈が示され、また2006年の改正により運輸(支)局への登録を経て、サービスを実施できるようになり、NPOやボランティア等が、地域の実情に合わせて幅広い支援を実施できる枠組みが整備されました。
山形市内にも、市町村をまたいだ移動サービスを実施するNPOや地区のデマンド型タクシーを企画運営する地域団体など、移動サービスの担い手として様々な団体が活躍しています。
具体例として、山形市内北部に位置する明治・大郷地区では、路線バスの廃止により地域の方の通学や外出の手段が失われたことから、やまがた福祉移動サポートネットワークの協力で地域住民が主体となり大郷明治交通サービス運営協議会を立ち上げました。現在、デマンド型交通「スマイル・グリーン号」を走らせています。デマンドタクシーとは、サービスが必要な方を自宅や指定場所から目的地まで、乗り合いタクシー方式で送迎するサービスのこと。現在、明治・大郷地区と近隣の漆山地区と山形市街地間を、水曜日と金曜日の週2日、9便往復運行しています。
移動ネットでは、他地域のデマンドタクシーの実践例の研究やアンケート調査に協力し、地区の皆さんと協議を重ね、地域に合わせた体系や仕組みを構築するサポートを行いました。地区の子どもたちの絵を回数券にプリントしたり、増便のためのアンケート調査を実施したりと地域ならではの工夫を重ね、現在利用者数も増えてきており、順調に運営されているそうです。

(上の写真:集合場所を手作りする地域住民の皆さん)

(上の写真:明治小学校生徒がデザインした車両標示)
「最近は、市町村合併に伴う公共交通の空白地域があることが課題とされており、県内様々な地域の方から相談を受けています。地域の方のニーズを聞きながら、それぞれの地域に合った仕組みづくりのお手伝いができれば」と移動ネット事務局長 齋藤丈夫さんは話しておられました。今後も公共交通を含めて、生活交通に不自由がある地域に対して支援していきたいと考えているそうです。
これからの活動も応援しています!
■やまがた福祉移動サポートネットワーク
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やまがた福祉移動サービスネットワーク 副代表 兼 事務局長 齋藤氏
TEL&FAX:023-645-9512