3月10日に山形県国際交流センターの研修室で、JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2018表彰式が開催されました。
この催しは、独立行政法人国際協力機構東北センター(以下、JICA東北)、協力隊を支援するやまがた地球家族の会、NPO法人山形県青年海外協力協会の3者が主催したもので、会場にはおよそ40名が集まりました。

このエッセイコンテストは、次の世代を担う中学生・高校生を対象に、開発途上国の現状や日本との関係について理解を深め、国際社会の中で、自分たち一人ひとりがどのように行動すべきかを考えることを目的に実施しています。
今回で中学生の部が23回、高校生の部が57回を数え、今年度、全国の中学生・高校生から寄せられたエッセイの総数は72,486点。その内、山形県からは中学生の部228点、高校生の部422点の応募があったとのことです。

表彰式では、山形県受賞者への表彰状の授与と、個人賞を獲得した方々によるエッセイの朗読が行われました。

高校生の部の個人賞・JICA東北所長賞に選ばれた、山形県立山形東高校2年の庄司百伽さんのエッセイ「輪が作る世界の幸せ」は、英語の教科書をきっかけに、パラグアイのカテウラに暮らす人々の貧困の問題に関心を持ち、現地に毎日何10トンも送られてくる廃棄物で、楽器を作ってオーケストラの活動を始めた人々を通して、生きることの意味を考え、世界の幸せのために自分たちにできることとは何かを述べているものでした。

質疑応答に答える庄司さん

高校生の部の個人賞・NPO法人山形県青年海外協力協会会長賞に選ばれた、山形県立鶴岡中央高校2年の伊藤北斗さんのエッセイ「私の故郷を世界へ」は、東京2020オリンピック・パラリンピックにおけるモルドバ共和国のホストタウンである鶴岡市で、モルドバのとある家族との交流を機に、自分自身が感じ取ったことと、人々のふれあいの大切さについて述べているものでした。

質疑応答に答える伊藤さん

中学生の部の個人賞・JICA東北所長賞に選ばれた、南陽市立宮内中学校3年の太田珠伽さんの「異国の風に吹かれて」と題したエッセイは、海外で居住経験のある親戚との触れ合いを通して、異文化への理解について考え、自身の将来への思いを述べているものでした。この日、太田さんは高校入試により会場に来ることができなかったため、エッセイはスタッフにより朗読されました。

また、60作品以上か、全校生徒の3割以上の応募があった学校に贈られる学校賞として、飯豊町立飯豊中学校、山形市立山寺中学校、山形県立谷地高校、山形県立鶴岡中央高校の4校が受賞しました。

受賞者・受賞校の方を囲んでの集合写真

今回受賞した3つの作品には、遠い国の人々に思いを寄せている、彼らの等身大の姿が映し出されていた様に感じました。来年度はどのような作品が寄せられるのか、期待したいと思います。

表彰式の後、同会場では「青年海外協力隊 帰国報告会」が開催され、ニカラグアで青少年活動に携わった大沼文香さんと、マラウイでコミュニティ開発に携わった佐藤博亮さんが、活動を通して感じたことなどをパネルトーク形式でお話しました。

●お問い合わせ先
JICA山形デスク
TEL:023-646-6267