ゴールデンウィーク最終日、5月5日子どもの日に開催された一箱古本市@山形に出店してきました。東ソーアリーナ&遅筆堂文庫山形館エントランスを会場に、当日は5月のさわやかな青空のもと、賑やかな催しとなりました。

今回の取材レポートは、一箱古本市へ参加するまでの様子を報告したいと思います。

 

 はじめに お店の名前を決めよう!

3年ぶりに開催される今回のイベントに私が出店することになったきっかけは、一箱古本市@山形の主宰である嵐田さんにお誘いいただいたことがはじまりでした。以前からそういったイベントには興味があったのですが、お客さんとして訪れはするものの出店者側として参加というのはハードルが高く、これまでは遠くの賑やかなお祭りの灯りを眺めている子どものような心境で、ただ遠くから見ているだけでした。でも私は知っています。こういうイベントはお客さんとして参加するよりも出店者として参加する方が断然楽しいということを。怖気づく気持ちもほんのちょっとありましたが、意を決して参加の意向をお伝えしたのでした。

 さて、参加するにあたってまずしなければいけないこと。それは「屋号」、すなわちお店の名前を決めることです。当日来場されたお客様に配るお店ガイドに掲載するため、100字程度の紹介文を添えて、開催の約1カ月ほど前までにはお店の名前を知らせなくてはなりません。「愚者の楽園」、「カムパネルラ書房」、「マト文庫」、「ロロ美容室」、「ななみやたかちん」、「隠居堂」などなど、今回参加されたお店はどれもステキなネーミングばかり。そんな名前に負けないような名前を考えるのはなかなか一苦労です。三日三晩考えてようやくひねり出した名前は「古書 たぬきや」。由来を語ると大河ドラマのような長い話になりそうなので、それはまた別の機会にお話しします。

 

 準備こそが醍醐味!

 しばらくは日々の雑務に追われているうちに、あっという間に世間はゴールデンウィークへと突入し、気が付けば古本市開催まであと1週間。店名を決めた以外は何も準備が出来ていません。あたふたしていてもらちが明かないので、ともかくうちにある本から商品の選定を始めました。やってみて初めて分かるのですが、この選定作業、なかなか思うように進まないのです。というのも、どの本を手放すかというのも迷うところではあるのですが、自分の本を人前にさらすという行為は、自分の心をあけすけにさらけ出すような行為に近いのです。それを自覚したとたん人様に心の奥をのぞかれるような気分に襲われて、一時は作業が完全に止まってしまいました。

そこで一つの考えが思い浮かびました。

―そうだ。今度センターで開催する哲学カフェのテーマは「食」についてだ。だったらその宣伝も兼ねて食に関する本をそろえたらいいんじゃなかろうか?

そこからはもう迷うことなく本選びも進み、ゴールデンウィーク後半はほぼ古本市の準備に費やしました。お店の看板の作成から飾り付け、お金を受け渡すためのトレイやお買い上げいただいた本を入れる袋の用意や封をするシールの作成・・・。

さまざま準備をしているうちに、ふとはるか昔の学生時代の学園祭のことを思い出しました。学園祭は当日も楽しいけれど、一番楽しかったのは前日の準備だったなあ・・・。そう思うと、この準備の時間を終えてしまうのが惜しいような、さみしいような、そんな気持ちにさせられました。

 

いよいよ古本市開幕!

さて、いよいよ当日の朝、早くも初夏を思わせるような晴れ渡った青空になりました。ぎっしり本が詰め込まれたダンボール箱を抱えて東ソーアリーナの大階段を登り切ると、その先に広がるエントランスではすでに多くの出店者達のお店が広げられていました。

 

午前10時の開店まであとわずか、参加者はそれぞれ開店の準備に余念がない様子です。凝ったつくりの看板が置かれたお店や、たくさんの本が納められた木製の可愛らしい本棚を真ん中に据えたお店など、3年ぶりの開催ということで各店ともかなり力が入っています。なにより久しぶりに開かれる古本市の開催を待ちかねている雰囲気が会場に満ち溢れていました。そんななか、私も受付で参加費を払い、場所決めのくじを引いて遅ればせながら準備開始。事前にスペースに合わせて用意した80×80センチの敷物を敷いて、本を並べていきました。肝心の哲学カフェの宣伝用チラシも置いて、いよいよ開店の時間です!

売れ行きはどうだったかって?儲かったような、そうでもないような。まさかという本が売れたり、ほんとは手放したくなかった本が売れたり。なかにはあとでネットで検索してみたら思いのほか高値で取引されている本だとわかったり。(1冊300円で売ってしまいました)

楽しかったかって?そりゃめちゃめちゃ楽しかったですよ!楽しくないはずがないじゃないですか。だって本好きの人達が集まって、ここぞとばかりとっておきの本を紹介しているんですよ?

え?詳しく聞かせろ?いやいや。私が当日の様子をいくら細かく説明したところで、きっとぜんぜんその楽しさを伝えることはできないでしょう。それに、すでに参加者の皆さんが様々な形で当日の様子を発信しています。詳しく知りたい方は、一箱古本市@山形のTwitterを見てみてはいかがでしょうか?
 最後に、ウォルトディズニーが残したこんな言葉を紹介します。

―宝島の海賊たちが盗んだ財宝よりも、本には多くの宝が眠っている。そして、何よりも、宝を毎日味わうことができるのだ。

 古本市はまさに宝探しです。ぜひ皆さんも次回開催の際にはお客さんとしてはもちろん、出店者として参加されてみてはいかがですか?

  • お問い合わせ
    一箱古本市@山形 嵐田
    e-mail:185yamagata@gmail.com
    Twitter:@futahako