2月5日(日)山形市城西町の山形市総合福祉センターで「子どもの貧困対策 全国47都道府県キャラバンin山形」が開催されました。『6人に1人の子どもが貧困』と言われても、なかなか実態が見えず実感することが難しい中で、静かに深刻さを増している子どもの貧困について理解を深め、子どものたちのためにできることを一緒に考えようというものです。
これは公益財団法人あすのばが公益財団法人キリン福祉財団の助成を受けて全都道府県で開催していくもので、5県目の山形での開催が、今年度最後のキャラバンということでした。
午前中は、山形県の担当者と、ひとり親・学習支援・子ども食堂の支援者から報告がありました。
学習支援の団体として、学び場プラスの学生2名が、塾や予備校に行きたくても行けない小学生、中学生、高校生に対する学校外での学習支援の活動の様子を報告しました。快適な勉強の場を提供するだけでなく、学習をサポートする大学生との関わりが、子どもたちにとって夢を広げるきっかけになってほしいとのことです。
活動を始めるきっかけとなった背景には東日本大震災があり、週に1回3時間の活動をしていて15人ほどの子どもが通っているそうです。生徒の募集に苦労することもありますが、学習を通して自分に興味を持ってくれる存在がいることを伝えていきたいし、子どもたちに寄り添う存在でありたいとのことでした。
次に、山形てのひら支援ネットが昨年7月から山形市小白川地区で月1回開催している子ども食堂の様子が紹介されました。この取組は山形市市民活動支援基金【分野補助】を利用したもので、16時30分から学習支援、17時30分から食事、18時30分からゲームという流れで活動しているそうです。毎回20人ほどの参加者があり、全員で食卓を囲む賑やかさはもちろん、食事の前の学習支援や食後のゲームを通して、じっくりと子どもの様子を観察し、ことばを掛け合えることが子ども食堂の醍醐味だということでした。また、メディアの後方支援のおかげで、多くの方から米や野菜などの寄付を頂き、子どもに関心を寄せる地域の方々の熱意を実感しているということでした。
午後からは山形県内や東北の支援団体によるリレートークがあり、その後はグループに分かれて「山形こども支援マップづくり」をしました。子どもの貧困の現状を共有し、ステークホルダーのマップを作りました。子どもを取り巻く環境や関わりのある人を整理し、県内の具体的な支援者や支援団体などの名前を記入していくと、班ごとにマップの完成です。
学び場プラスの「支援の連鎖が貧困の連鎖を上回らなければならない」という言葉と、山形てのひら支援ネットの「実践者の中に地域の人がいる意義」が心に残りました。子どもの貧困は子どもだけのことだけでなく、社会全体の問題として考え、対応していく必要があると改めて感じました。
■お問い合わせ先
学び場プラス
代表 安孫子 知樹
電話:080-5739-6147
■お問い合わせ先
山形てのひら支援ネット
代表 西上 紀江子
電話:090-2365-1208
https://www.facebook.com/kodomo.s.raku/
文責:有川
取材日:平成29年2月5日(日)