「認知症予防サロン はじめの一歩」は、主に山形市吉野宿で学び・音楽・食を通じ、住み慣れた地域で仲間と共に助け合い、支え合って暮らしていくための居場所づくりを行っている団体です。地域の方から「認知症になりたくない」、「吉野宿が好きなのでいつまでもここで暮らしたい」という声を聞き、毎月様々なテーマで認知症予防サロンを行っています。

今回は、代表の鈴木和子さんのお宅にて、認知症予防サロンが開催されました。このサロンは、平成29年度山形市コミュニティファンド公開プレゼンテーションの補助事業となっています。


初めに成年後見制度について、山形県社会福祉士会和田俊次さんのお話がありました。成年後見制度とは何か、なぜ必要なのかという概要から始まり、実際に制度を利用する際の手続きや後見人になる人の条件なども、スライドを使いながら分かりやすく説明していました。話の最後に和田さんから、「自分が認知症になったとき、各種手続きがスムーズにできるように、今日参加している皆さんは今のうちに後見人を選んでおいてほしい」と皆さんに繰り返しお伝えしていました。

その後、かたりの会の古瀬孝子さんから、「読みがたり 山形のむかしばなし」に収録してある山形にまつわる昔話を4篇お話いただきました。古瀬さんは山形市立図書館や市内の小学校で朝のお話会をしており、「昔話を通じて子どもたちに山形の歴史や文化を知ってほしい」という考えから、本に収録されている山形の方言をそのまま話しているそうです。


昔話のあとは、皆さんで最上川、汽車、もみじといった歌を合唱しました。途中でひとりひとり準備していたシェーカーを取り出し、体を動かしながら元気に歌っていました。「ゆっくり歌うことで、深呼吸と同じように体に酸素を取り入れ、脳を活性化させる効果があります」、と話すのは山形音楽療法士会の冨樫さん。その他に、「シェーカーを振ることは手首の運動にもつながるので、音楽に合わせて、リズムを取りながら歌いましょう」、と皆さんに呼びかけていました。

最後に、部屋を移動し参加者全員でご飯を食べました。ボランティアの方やサロンに参加されている方の畑の野菜などを食材に上手く活用した料理です。

今日のサロンについて参加した方にお聞きしたところ、「講師のお話が上手でもっと聞いてみたくなった」、「(吉野宿には)バスが不便なので、普段外に出ることはあまりないが、このサロンは近所でしているので歩いて参加している」、などと毎回楽しみにしている方が多いようでした。

「今後は男性も気軽に参加できるようなテーマを考えて継続していきたい。また、吉野宿にいる近所の人だけでなく、金井地区全域にお知らせを行い、交流したい」と話す、鈴木さん。これからも、地域の人が楽しく認知症や山形の文化を知るきっかけになる認知症予防サロンを、吉野宿から広めていってほしいと思いました。

●お問い合わせ先
認知症予防サロン はじめの一歩
TEL:023-684-9686(代表:鈴木)