「絆チャレンジ2014~タスキをつないでフルマラソンに挑戦~」を取材しました

NPO法人山形TFC

 NPO法人山形TFCは、地域に暮らす人々に対して、陸上競技をはじめとしたスポーツの普及及び振興に関する事業を行い、スポーツを通した子どもたちの健全育成、ひいては地域の活性化に寄与することを目的に活動しています。

誰もが参加できる地域の陸上競技クラブを目指し、幼稚園児から高校・一般の選手、初心者から上級者まで、すべての人が陸上競技に親しむ環境を提供しています。

普段は、クラブ会員のみなさんのための練習会が中心ですが、3大イベントとして、世代ごとに50メートル走のチャンピオンを決める「ダッシュ王選手権」、110mハードル、走幅跳、砲丸投等の複数競技を競う「混成競技記録会」、そして今回取材させていただいた「絆チャレンジ」、また、種目を限定したクリニック、健康増進教室など、非会員の方でも楽しめる活動も行っています。

 さて、今日は、その3大イベントの1つ「絆チャレンジ2014~タスキをつないでフルマラソンに挑戦~」を取材するべく、平成26年11月9日(日)に、あかねヶ丘陸上競技場におじゃましました。

今回の競技方法は、「1人1周(400メートル)以上走って、次の走者にタスキを渡してリレーをし、フルマラソンの完走を目指す」というもの。フルマラソンなので、競技場を105周と195メートル走ることになるそうです。様々な面白い特別ルールがあり、例えば世界記録の2時間2分57秒以降になると、各チーム3人までが同時に並走でき、その場合は1周が3周とみなされるルールがあったり、運営スタッフが代わりに1周代行するスペシャルカードがあったり等、楽しみながらチームで完走を目指すことができます。



 会場に着くと、参加される方が続々と集まって来ていました。今年は、1チーム10人弱で13チーム、総勢115人のエントリーがあったようです。開会式と、選手宣誓が行われた後、14時のスタートに向けて、各チームがウォーミングアップと作戦会議を行っていました。



 いよいよ14時。13チームが一斉にスタートしました。小学生と大人のチームではもちろんスピードは違いますが、それぞれが次の走者にタスキをつなぐため、一生懸命に走る姿が見受けられました。2~3時間にわたり、チームで1周400メートルのトラックを走り続けるため、走ることがどうしても単調になりがちですが、スタッフによる実況や、スペシャルカードによるスタッフのサポート等といった楽しい演出もあり、参加者が“走ることは楽しいこと”と思うことができるイベントになっていると感じました。





 イベント運営の空き時間をいただいて、NPO法人山形TFC理事長の五十嵐徹さんにインタビューさせていただきました。

■山形TFCを設立した背景や理由を教えてください
若い時にバリバリの運動選手だった人も、高校や大学を卒業して社会人になったとたん、スポーツとの関係が薄くなってしまいがちです。もちろん自分で時間を作ってからだを動かしたり、サークルに入ってスポーツを続けたりする人もいますが、ほとんどの人は忙しさや気恥ずかしさから、気持ちはあっても機会を作ることができないのではないでしょうか。そんな方のための受け皿になりたいと考えています。通えるのであればどなたでもどうぞ、というスタンスでやっています。
もともと私は、中学・高校・大学・一般と陸上をやってきて、教員としても陸上競技部で指導する立場で陸上に関わってきましたが、県庁に異動になり部活との関わりが薄れると、指導現場も実践現場もなくなり、運動に関わることが薄くなってきました。その時の業務の内容が、その地域スポーツや生涯スポーツをどのように浸透させていくかというテーマだったこともあり、クラブを作れば、自分がどこに転勤しても、また、子どもたちが進学で学校を変えても、一貫して指導に関わることができると考え、思いを同じくする仲間数人とこの会をスタートさせました。今では、会社員、主婦、学生の方など、運動が好きな様々な方が運営スタッフとしてたくさん関わってくれています。

■活動のやりがいを教えてください
基本的に有志が集まって作っているクラブで、会員も自由参加ですので、自分たちのやりたいことができます。今日のようなイベントも、「こんなのやりたいね」という声ですぐに「やってみよう」となりました。先日行った記録会は1人に何種目も挑戦してもらおうといった面白い記録会なのですが、競技者のみなさんには、ある特定の種目だけではなく様々な種目に関わってもらいたい、という私たちの基本的な思いがあり、混成競技をやってみようということになりました。「やりたい」とか「やってみたかった」とか、「こんなのがあればいいな」ということを、フットワーク軽くすぐできることが一番嬉しいことです。そして、そのような手作りのイベントに実際に参加してくれた方の笑顔や表情を見るのがとても嬉しく、やりがいになっています。

■活動の際に大切にしていることは何ですか
目先の競技記録にこだわらず、特に子どもたちを長い目で見てあげたいと考えています。子どもたちの成長過程の中で、落ち着きがなかったり、人に迷惑かけたりする等、そのような表現しかできない時期もありますので、そういう子どもが、数年後には、いろいろとわきまえてきたり、いろんなことができるようになったり、という成長を見ていけるのもこのクラブならではですね。

■今後の活動予定を教えてください
総合型地域スポーツクラブを目指しています。陸上競技だけではなく、ウォーキングや、健康づくりなど、運動に関連するメニューを提供できるようにしたいと思っています。近々、新しい取組みとして、ノルディックウォークの教室を予定しています。

■今日の「絆チャレンジ2014」では、寄付の取組みを行っていますね
東日本大震災の年に、募金活動をやりました。練習会の時にも、スタッフや参加いただいた方から募金をしていただき、寄付させていただいております。その他に、スタッフから会の取組みとして何かやりたいという話になり、昨年から「絆チャレンジ」を開催しています。また、福島に戻れずこちらで暮らしている方もまだいらっしゃるという状況を考えると、直接募金箱にお金をいただく今までの方法も良いけれども、そういう方々に支援をしている団体に寄付する方法もあるのではないかと考え、特に子どもたちの支援という点で「NPO法人子ども支援フェイスブックプロジェクト」に寄付を決めました。昨年に続き、今年も寄付を行う予定です。

企業からのスポーツドリンクの協賛やプログラムへの広告などもいただいているとのこと。「今後も、地域の様々な団体や個人を巻き込んで、様々なイベントや取組みを行っていきたい」と五十嵐さんは語ってくださいました。

■お問い合せ
・NPO法人 山形TFC
・理事長  五十嵐 徹
・ホームページ http://yamagata-tfc.org/
※イベント当日の様子や優勝チームの情報等は、「山形TFCスタッフのブログ」をご覧ください。 http://tfc-staff.sblo.jp/archives/20141111-1.html